研究概要 |
本研究は、自己組織化および結晶性高分子材料を用いてマイクロ・ナノスケールの微小・微細成形加工技術により,高分子材料の表面構造をマイクロ・ナノスケールで高度に制御することを目的とするものである。平成21年度は様々なマイクロ・ナノ表面転写成形加工を行い、得られた成形品の内部構造やモロフォロジーを電子顕微鏡や回折・散乱解析法などにより,マイクロスケールの微小領域での分子配向度や高次構造などを詳細に調べた。さらに,成形品のマイクロ・ナノスケールの加工特性と表面構造形態の相関を調べるために,レーザー加熱を利用した微細接合の可能性について基礎検討を進めた。 試料に,ポリカーボネートを用いて,50から200μm程度のライン&スペース構造体を作製し,その構造転写性と内部の分子配向について調べた結果,高圧力下では,製品に残留ひずみが生じて光学的違法性が高くなることが分かった。また,低粘度のポリスチレンを用いて,自己組織化により作製した酸化アルミ基板(直径200nmの多孔を有する)に精密転写を行った結果,ナノ講造体が作製され,その長さが60μmのナノロッドが得られた。レーザー加熱を利用した微細接合については、本年度導入したファイバーレーザーカップリングシステム及び自作した光学システムを用いて直径100μm程度の微細なレーザー光により,高分子材料を相互に接合できることを見出した。
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