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2009 年度 実績報告書

シリカナノ粒子のアンカー効果を利用した安全で安心な難燃剤と光安定剤の創製

研究課題

研究課題/領域番号 21560711
研究機関新潟大学

研究代表者

坪川 紀夫  新潟大学, 自然科学系, 教授 (20018675)

キーワードシリカナノ粒子 / ポリアミドアミン / 表面グラフト / 乾式系 / 臭素系難燃剤 / 酸素指数 / ブルーミング / アンカー効果
研究概要

本年度は、シリカナノ粒子表面への難燃剤の固定化と、この様なシリカを複合化したエポキシ樹脂の難燃性について検討した。まず、シリカ表面のシラノール基をシランカップリング剤で処理することにより、粒子表面ヘアミノ基を導入した。ついで溶媒を用いない乾式系において、シリカ表面のアミノ基へのアクリル酸メチルのマイケル付加反応と、エチレンジアミンによるアミド化を繰り返すことにより、粒子表面ヘポリアミドアミンをグラフトした。粒子表面へのポリアミドアミンのグラフト率は50~90%、末端アミノ基量は、2.6~5.9mmol/gであった。つぎに、シリカ表面へグラフトしたポリアミドアミン末端のアミノ基と難燃剤ポリ(テトラブロモビスフェノールA)グリシジルエーテル(PTBBA)のエポキシ基との反応により、シリカ表面へPTBBAを固定化した。なお、シリカナノ粒子表面へのPTBBAの固定化の確認は、元素分析、FT-IR、TGA、および熱分解GC-MSにより行った。その結果、この様な方法で、シリカナノ粒子表面へPTBBAが固定化できることが分かった。また、PTBBAを固定化したシリカはエポキシ樹脂中へ容易に、しかも均一に分散することが分かった。そこで、PTBBAを固定化したシリカを充填したエポキシ樹脂板を作製し、その難燃性を未処理のシリカや固定化しないPTBBAを添加したエポキシ樹脂の難燃性を酸素指数により評価した。その結果、添加するPTBBAの量が同じでも、PTBBAを固定化したシリカを添加したエポキシ樹脂の難燃性が大きくなることが分かった。また、遊離のPTBBAを添加したエポキシ樹脂からは、PTBBAが容易に溶出するのに対して、PTBBAを固定化したシリカを添加したエポキシ樹脂からのPTBBAの溶出はほとんど認められなかった。したがって、シリカナノ粒子がエポキシ樹脂中で有効なアンカーとして作用することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] シリカナノ粒子表面への機能物質の固定化とその性質2009

    • 著者名/発表者名
      坪川紀夫, 他
    • 学会等名
      第58回高分子討論会
    • 発表場所
      熊本大学(熊本市)
    • 年月日
      2009-09-16

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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