同軸異径スピナレットを用いたエレクトロスピニング法により、ナノ粒子をコア部に高充填化させた芯鞘型ナノファイバーを作製する技術を確立した。伝導性ナノ粒子としてカーボンナノチューブ(CNT)、銀粒子およびアルミナ粒子を用いた。母材として、ポリアミド66(PA66)およびポリアクリロニトリル(PAN)/シランアルコキシド・ブレンドを用いた。ナノ粒子がコア部に高密度に集積化したモルフォロジーを得るためには、(1)溶液押出速度および(2)芯材溶液と鞘材溶液の相溶性の制御が重要であることを見出し、その最適条件を明らかにした。ナノ粒子の分散モルフォロジーの観察には、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた。得られたナノ粒子高充填ナノファイバーの力学試験を行い、コア部に高密度にナノ粒子を集積化した芯鞘構造を形成することにより、ナノ粒子高充填化にともなう引張強度低下を抑制できることを示した。すなわち、ナノ粒子充填ナノファイバーの複合化に必要な要素技術が確立できた。
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