前年度に確立した手法により作製した「ナノ粒子高充填ナノファイバー集合体」にエポキシ樹脂を含侵させ、複合体を作製する手法を検討した。ナノファイバー集合体には繊維-繊維間に数ミクロンの空隙が存在するため、複合体成形時には多数のボイドが発生した。ボイド発生を抑制するための成形手法を確立したことが今年度の主な成果である。これより、本研究で創製を目指す「ナノ粒子高密度集積化ポリマーナノコンポジット」作製のための要素技術((1)ナノ粒子高充填ナノファイバー集合体作製技術、(2)ナノファイバー基複合成形体作製技術)が確立できたこととなる。 アルミナ粒子充填複合成形体を作製し、ナノ粒子充填量と熱拡散率を測定した。低ナノ粒子充填量(6wt%)において熱拡散率1.7×10^<-7>m^2/sを示し、ナノ粒子ネットワーク構造が形成されていることが示唆された。ただし、目標の熱拡散率を達成するには、ナノ粒子のさらなる高密度集積化が必要であることが明らかとなった。
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