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2010 年度 実績報告書

酸化タングステンのクロミック特性への構造の影響と水素ガスシナージーセンサーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21560726
研究機関東京理科大学

研究代表者

西尾 圭史  東京理科大学, 基礎工学部, 准教授 (90307710)

キーワード水素センサー / クロミズム / 光 / 電気 / シナジーセンサー
研究概要

本研究は「光学検知水素センサー用材料の開発とそのモジュール化」および「室温作動、100ppmオーダーの水素検出の実現」と「電気抵抗変化を利用した水素濃度検知センサーの構築」を最終目的とし、これらを実現するために構造と物性の相関性を明らかとすることを基礎の目的とする。
1. 光・電気特性を利用した水素の検知ならびに水素濃度測定センサーへの可能性
(1) マスフローコントローラーにより濃度調整した水素と窒素または大気の混合ガスを導入し、導入ガスが与えるガスクロミック特性の応答性を比較したところ、窒素との混合ガスでは水素濃度と吸収係数が線形関係にあったが、大気中に含まれる酸素と薄膜中のプロトン並びに電子がH_2Oを形成する引き抜きの反応が同時に生じることから、吸光度と水素濃度が非線形関係となることが、H_2Oの生成速度を熱力学的に考慮した補正項を導入することで線形関係とすることが可能となることを見いだした。
(2) ナノ微粒子坦持WO_3薄膜の電気による水素センシング能評価
水素の電気的検知特性評価では1%水素の導入により電気抵抗率は1秒以下で3ケタ以上変化し、100ppmの水素導入で1ケタ程度の変化量を得ることが可能であること、水素の分圧と電気抵抗率は線形的に変化することを明らかとした。このことから、低濃度領域の水素の検知ならびに水素濃度の測定に優れた特性を持つことを見いだした。
以上、(1)ならびに(2)の結果より、光学的検知、電気的検知を組み合わせることで、水素ガスを広い濃度範囲で検知し、濃度測定を可能とすることを見いだす結果を得た。
2. 電気伝導の温度依存性の解明
前年度見いだした150℃付近からの抵抗の急激な増加という特異な電気伝導の温度依存性については、雰囲気ガスの影響、構造相転移の有無などの観点から現象の解明を進めているが、その原因の究明には現段階では至っていない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ゾルーゲル法により作製した水素センサー用Pt/WO_3薄膜の電気特性評価2010

    • 著者名/発表者名
      山口祐貴、木練透、藤本正克・前英雄、安盛敦雄・西尾圭史
    • 学会等名
      第30回エレクトロセラミックス討論会
    • 発表場所
      東京理科大学(東京)
    • 年月日
      2010-10-29
  • [学会発表] Chromic properties and structural analyses of Pt/WO_3 thin films prepared using asol-gel process2010

    • 著者名/発表者名
      Yuki Yamaguchi, Hironobu Iida, Tohru Kineri, Masakatsu Fujimoto, Hideo Mae Hideyuki Nawata, Keishi Nishio
    • 学会等名
      European Materials Research Society 2010 Spring Meeting
    • 発表場所
      Strasbourg(France)
    • 年月日
      2010-06-08

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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