代表申請者らが従来Nd : Y_3Al_5O_<12>系で培った「焼結法による単結晶育成」技術により、ランタン-ケイ酸単結晶の作製を試みた。単結晶素材(多結晶体(セラミックス))のサイズは直径10mm×長さ10mmとして、浮遊帯溶融法(FZ法)によって作製した種結晶に用いて育成実験を行った。単結晶素材は十分な緻密化が必要なため、通常の金型成形に加えて、本科学研究費補助金にて購入した卓上型プレスCIPを用いてバックアップ成形を合わせて行った。本研究の単結晶育成には、当初1750℃以上の温度が必要であると予測していたため、平成20年12月導入した超高温電気炉(最高使用温度:1800℃、常用使用温度:1750℃)に用いた。実験の結果、当初の予測通り、1750℃か、それ以上の高温が必要であると判断された。しかしながら、現時点では単結晶育成が種結晶から2~3mm程度までしか進んでいない。各種育成条件(育成温度、炉内温度分布、昇温速度など)を検討中であるが、1750℃以上の長時間使用で超高温電気炉の発熱体に与えるダメージが予想以上に大きく、断線による発熱体交換補充が現在の大きな問題点となっている。 以上の結果から、本科学研究費補助金の研究課題である「焼結法による単結晶育成」技術によりランタン-ケイ酸単結晶育成を実現できる可能を明らかにすることができた。しかしながら、平成21年度の当初目標であった直径10mm×長さ10mmサイズ単結晶を得ることは達成できなかった。
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