ファイバ・ブラッグ・グレーティング(FBG)をセンサとしたシンプルな超音波検出システムの開発を目指して、今年度は以下の研究を行った。 1.FBGに与えるひずみ分布がデュアルピークFBGセンサの反射スペクトル形状に与える影響の評価 数値解析によりFBGのグレーティング内部に局所ひずみを与えたときの反射スペクトル形状を計算し、超音波検出に最適なひずみ分布の探索を試みた。ひずみを受けたFBGに対応する反射スペクトルはひずみを受けないFBGの反射スペクトルと比較して、反射率が低くなることが分かり大きなひずみを与えることはデュアルピークFBGによる超音波検出においては不利になることを明らかにした。 2.FBGセンサ信号の復調に光フィルタを用いず、信号処理により復調するシステムの開発 広帯域光源を利用したFBG超音波検出システムは従来、信号復調に光フィルタを用いてきたが、周波数フィルタや平均化処理などの信号処理により信号復調できることを実証し、復調用光フィルタを用いない構成がシンプルなFBG超音波検出システムを開発した。 3.光源にファイバ・レーザを用いた新規なFBG振動検出システムの開発 研究項目2で開発したシステムの検出感度向上を目指して光源にファイバ・レーザを用いたFBG振動検出システムを開発した。開発されたシステムを用いて数Hzの振動から20kHzを超える超音波までの広帯域な振動検出が可能なことを実証した。 上記研究項目2、および3において開発されたシステムはそれぞれ特願2010-11526、および特願2010-61986として特許出願した。
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