研究課題/領域番号 |
21560752
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
望月 孝晏 兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 特任教授 (80101278)
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研究分担者 |
宮本 修治 兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 教授 (90135757)
内海 裕一 兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 准教授 (80326298)
天野 壮 兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 助教 (50271200)
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キーワード | キセノン / 軟X線 / レーザー生成プラズマ / ガスバッファ / アルゴン |
研究概要 |
1、回転ドラム式キセノンクライオターゲットから発生するレーザー生成キセノンプラズマ軟X線は5-17nmのブロードな波長領域に着目するとレーザーからのエネルギー最大変換効率25%/2πSrを達成していることが実験で確認できた。 2、この軟X線を利用するために曲率半径26mmの円筒状のRuミラーで集光し、最大で1mmΦあたり1.3mJ/cm2の強度を達成した。またPMMAに50W/160PPsレーザー照射によって発生させた軟X線を20分集光照射した結果、1.6pm/shotのアブレーションレートを得た。 3、この光源を実用化するためには、レーザー生成プラズマから放出されるデブリによる集光光学系のスパッタリングを抑制し、長時間の運転に耐えることが求められる。スパッタリングを抑制する手段として、ガスバッファ方式を研究した。バッファに用いるガスはキセノンプラズマ軟X線に対する吸収が少なく、且つスパッタリング抑制に効果の見込める物質としてアルゴンガスを選択した。キセノンクライオターゲットから発生するプラズマデブリ・軟X線とアルゴンガスとの実効的な衝突・吸収の断面積を真空チャンバー内に一様にガスを満たすことで測定した結果、断面積はそれぞれσ_1=2.2×10^<-20>m^2とσ_2=1.5×10^<-22>m^2であった。これはガスによる軟X線の吸収が5%程度のときにスパッタリングの抑制によってミラー寿命を100倍に向上できることを示している。光源から集光光学系の間のガス密度を高くすることにより、排気ポンプへの流量負荷を増大させることなくデブリの緩和をすることを意図してガスジェットノズルを用いてガスを供給した場合、IL/minのアルゴン流量でスパッタリングはガスを用いない場合と比較して1/10に抑制できた。本光源は多様な応用に使えるコンパクト且つ高効率な軟X線源として役立つことが期待できる。
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