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2009 年度 実績報告書

層状破壊様式を活用した超高強度鋼の靭化

研究課題

研究課題/領域番号 21560763
研究機関独立行政法人物質・材料研究機構

研究代表者

木村 勇次  独立行政法人物質・材料研究機構, 新構造材料センター, 主幹研究員 (80253483)

キーワード材料加工・処理 / 結晶・組織制御
研究概要

本研究では、超微細結晶粒組織を有する0.4%C-2%Si-1%Cr-1%Mo鋼(重量%)について、層状破壊の発生機構を明確にし、靭性向上に有効な組織因子を抽出することを目的とする。
本年度は、まず超微細繊維状結晶得粒組織が得られる加工温度条件を決定することを目的とし、鋼中に第2相粒子として分散する炭化物の種類がセメンタイトで焼戻温度によって変化しないように成分設計した0.6%C-2%Si-1%Cr鋼について、マルテンサイト組織を500℃~700℃で1時間焼戻処理した後に各焼戻温度に保持しながら溝ロール圧延機で減面率約80%の温間加工を施して得られる材料の組織と機械的特性の関係を調査した。その結果、500℃の温間加工では超微細繊維状結晶粒組織が得られるのに対し、温間加工温度が高くなるにつれて等軸状の結晶粒の割合が高くなり700℃の温間加工では超微細繊維状結晶粒組織が得られないことがわかった。フルサイズのVノッチシャルピー衝撃試験を227℃から-196℃の範囲で行い、0.6%C-2%Si-1%Cr鋼材でも0.4%C-20%Si-1%Cr-1%Mo鋼材と同様に層状破壊に起因した衝撃靭性の逆温度依存性が認められ、同じ強度レベルの通常焼入れおよび焼戻材と比べて靭性が大幅に改善されることをわかった。とくに加工温度が低くなるほど層状破壊が顕著となり、靭性の逆温度依存性もより明瞭になることも新たに明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Delamination Toughening of Ultratine Grain Structure Steels Processed through Tempforming at Elevated Temperatures2010

    • 著者名/発表者名
      木村勇次・井上忠信、殷福星、津崎兼彰
    • 雑誌名

      ISIJ International 50

      ページ: 152-161

    • 査読あり
  • [備考]

    • URL

      http://www.nims.go.jp/smc-5/

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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