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2011 年度 実績報告書

層状破壊様式を活用した超高強度鋼の靭化

研究課題

研究課題/領域番号 21560763
研究機関独立行政法人物質・材料研究機構

研究代表者

木村 勇次  独立行政法人物質・材料研究機構, 構造材料ユニット, 主幹研究員 (80253483)

キーワード材料・加工 / 結晶・組織制御
研究概要

本研究では、超微細結晶粒組織を有する0.4%C-2%Si-1%Cr-1%Mo鋼(重量%)について、層状破壊の発生機構を明確にし、靭性向上に有効な組織因子を抽出することを目的とする。本年度は、前年度に引き続き、同鋼材のマルテンサイト組織を500℃で1時間焼戻処理した後に500℃に保持しながら溝ロール圧延機で0~80%までの種々の減面率(=加工ひずみ量)で温間加工を施して得られる材料の組織の形成機構を明らかにするとともに得られた組織と引張変形特性および衝撃靭性の関係を調査した。得られた材料の組織は、光学顕微鏡法、走査型電子顕微鏡法(SEM)、電子後方散乱回折法(EBSP)、X線回折法、必要に応じて透過型電子顕微鏡法(TEM)により解析した。層状破壊に影響を及ぼす組織因子としては、フェライト粒の結晶粒径および形状、炭化物粒子径、集合組織、ならびに転位密度に着目した。本年度は、とくに層状破壊発生のメカニズムを明らかにする目的で、微小試験片を用いて室温域における引張変形特性の異方性に焦点を絞った。その結果、引張変形特性の異方性は、温間加工で形成される超微細繊維状結晶粒組織の割合が高くなるほど大きくなり、材料のほぼ全域で目的とする超微細繊維状結晶粒組織が得られる80%の減面率では短軸方向の強度×延性バランスが長軸方向(圧延方向に平行)よりも大幅に低くなることが確認できた。このような引張変形特性の異方性と層状破壊発生には相関性があることが確認できた。層状破壊の発生には、特に基地結晶粒組織の短軸粒径、形状、そして、<110>//圧延方向集合組織が重要な組織因子であることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 温間テンプフォーミングで作製した超微細結晶粒鋼の層状破壊挙動2011

    • 著者名/発表者名
      木村勇次、井上忠信、殷福星、津崎兼彰
    • 学会等名
      (社)日本鉄鋼協会
    • 発表場所
      大阪大学(大阪府)
    • 年月日
      2011-09-21
  • [備考]

    • URL

      http://www.nims.go.jp/smc-5/

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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