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2009 年度 実績報告書

励起エネルギー可変光電子分光による鉄シリサイド極表面構造の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21560765
研究機関独立行政法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

江坂 文孝  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学研究部門, 研究副主幹 (40354865)

研究分担者 山本 博之  独立行政法人 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (30354822)
キーワードX線 / 電子分光 / 表面
研究概要

まず始めにβ-FeSi_2薄膜の作製に必要なイオンビームスパッタ蒸着装置のセットアップを行うとともに、Si基板上への成膜実験を行った。ここで、成膜時のSi基板温度の違いによるβ-FeSi_2膜の化学状態の変化を調べるために、本装置を用いて600~900℃の基板温度で約100nmの膜厚のβ-FeSi_2薄膜を蒸着させ、試料を作製した。
X線光電子分光(XPS)及びX線吸収分光(XAS)測定は、高エネルギー加速器研究機構の放射光ビームラインBL-13C及び27Aにて行った。それぞれ作製した薄膜の化学状態を調べるために、XPSによりFe 2p及びSi 1s,2pスペクトルを取得するとともにXASによりSi K吸収端及びFe L吸収端のスペクトルを取得した。
X線の励起エネルギーを254~970eVの間で変化させて測定したSi 2p XPSスペクトルの結果とシミュレーション計算により深さ方向の化学状態について解析を行ったところ、β-FeSi_2薄膜の最表面には、自然酸化膜として1nm程度のSiO_2層が形成され、その内部にSiO_<2-x>層が形成されることがわかった。また、Fe L吸収端のXASスペクトルの結果も考慮することにより、700℃で成膜した試料では、均一なβ-FeSi_2構造が得られることがわかった。一方、より高い温度で成膜した試料ではα-FeSi_2及びε-FeSi_2(FeSi)構造が生成してくることが示唆された。また、より低い温度では、Feを多く含む構造の存在が確認され、ε-FeSi_2(FeSi)構造の生成あるいは未反応のFeの存在が示唆された。以上の結果、これらの構造の違いが薄膜の物性の違いに影響を及ぼしているものと考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] X-ray photoelectron and X-ray absorption spectroscopic study on β-FeSi_2 thin films fabricated by ion beam sputter deposition2010

    • 著者名/発表者名
      F.Esaka, H.Yamamoto, et al.
    • 雑誌名

      Applied Surface Science 256

      ページ: 3155-3159

    • 査読あり
  • [学会発表] β-FeSi_2単結晶最表面状鯨のXPS及びXASによる分析2009

    • 著者名/発表者名
      江坂文孝、山本博之, 他
    • 学会等名
      第29回 表面科学 学術講演会
    • 発表場所
      東京(日本)
    • 年月日
      2009-10-27

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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