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2010 年度 実績報告書

(加水分解ナノ粒子・高導電性ポリマー)コンポジットを用いた次世代型鉛蓄電池

研究課題

研究課題/領域番号 21560768
研究機関秋田大学

研究代表者

田口 正美  秋田大学, 大学院・工学資源学研究科, 教授 (90143073)

研究分担者 多田 英司  秋田大学, 大学院・工学資源学研究科, 准教授 (40302260)
キーワード鉛蓄電池 / 二次電池 / 二酸化鉛 / ナノ粒子 / 導電性ポリマー / コンポジット電極
研究概要

(PbO_2ナノ粒子・導電性ポリマー)コンポジットを用いた新型鉛蓄電池の作製と電池特性の評価を,以下のように行った.
(1)新型鉛蓄電池の製造と電池特性の評価:酢酸鉛を出発材料とし,加水分解によりPbO_2ナノ粒子を調製した.得られたPbO_2ナノ粒子はβ-PbO_2単相であり,結晶子径は10数nmであった.さらに,(PbO_2ナノ粒子・高導電性ポリマー)コンポジットを正極とした5時間率放電および充電試験を実施した.二次電池の大電流・高容量化には,充放電反応における電流効率や電極活物質の利用率の向上が不可欠である.また,それを評価するには,電極電位や印加電流などの電気化学的情報に加えて,電極質量の変動をμgのオーダーで正確に計測する必要がある.本研究では,デジタルマイクロ天秤の床下秤量機能を利用した質量測定システムを利用し,高温・高濃度H_2SO_4中に浸漬した状態で試作したコンポジット電極の充放電反応における電流効率ならびにPbO_2ナノ粒子の利用率を計測・評価した.その結果,PbO_2ナノ粒子を正極活物質とした場合には,鉛蓄電池の現行法で製造されるPbO_2粒子を使用した場合に比較して,活物質の利用率ならびに電流効率が50%近く上昇することが確認できた.しかしながら,正極活物質を製造する際には,電解液と正極活物質の接触界面を充分に確保することが重要であり,(PbO_2ナノ粒子・高導電性ポリマー)コンポジットの作製方法によっては,電極特性が逆に劣化する場合があることも判明した.一方,鉛蓄電池の現行法で製造されるPbO_2粒子を使用した正極活物質では,充放電反応の可逆性が充分ではないことが分かった.そのため,充放電サイクルの進行に伴って正極活物質内に放電生成物のPbSO_4が残存し,電極質量が徐々に増加することが知られた.
(2)高導電性ポリマーの導電性および耐久性の評価:高導電性ポリマーに関しては,ポリアニリンを主体として,その導電性や高温・高濃度H_2SO_4中における耐久性を調査した.その結果,ポリアニリンの導電性はH_2SO_4のドーピングによって急激に上昇し,コンポジット材料として適正なことが確認できた.今後は,導電性ポリマーの導電性をさらに改善し,(PbO_2ナノ粒子・導電性ポリマー)コンポジット)コンポジットの充放電特性の向上に結びつける.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [学会発表] (PbO_2ナノ粒子・高導電性PANI)コンポジットを用いた新型鉛蓄電池の開発2010

    • 著者名/発表者名
      佐々木利裕, 田口正美
    • 学会等名
      日本素材物性学会平成22年度(第20回)年会
    • 発表場所
      秋田ビューホテル
    • 年月日
      2010-06-22
  • [産業財産権] 鉛蓄電池正極, 鉛蓄電池および鉛蓄電池用正極の製造法2010

    • 発明者名
      田口正美
    • 権利者名
      国立大学法人秋田大学
    • 公開番号
      特開2010-170918(P2010-170918A)
    • 出願年月日
      2010-08-05

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公開日: 2012-07-19  

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