研究課題/領域番号 |
21560771
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
佐々木 元 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30192595)
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研究分担者 |
松木 一弘 広島大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (30253115)
崔 龍範 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教 (00457269)
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キーワード | 複合材料 / アルミニウム合金 / 低圧含浸法 / 含浸シミュレーション / 炭素繊維 / アルミナ繊維 / 金属繊維 |
研究概要 |
本年度は、従来の低圧含浸法の問題点を鑑み、形状自由度の高い高機能、高信頼性の金属基複合材料を汎用技術であるダイカスト法や重力鋳造法、砂型鋳造法で製造するために必要な最適プロセス設計の手法を得ることを目的とし、主にシミュレーションの基礎的構築および含浸圧低減化の模索に関する研究のフレームワークの形成に関する研究を行った。得られた実績は以下の通りである。 低圧含浸を可能にする手法を模索することと、シミュレーションを構築するためのモデリング、計算アルゴリズムの構築を行った。含浸挙動のシミュレーションは含浸から凝固までを考慮した。含浸挙動についてはダルシー流れに対する直接差分法を用いた。これを、ドーナツ形状の部材を想定して計算を行った。凝固中、プリフォームに接した部分でのアルミニウム溶湯の凝固を考慮する為、透過率を変化させた場合の熱移動を考えて、含浸、熱伝導、凝固の各現象を含んだ連性型のシミュレーションの開発を行い、熱の問題を考慮した単純形状の2次元モデルでのシミュレーションを完成させた。 含浸低減化法の模索として、カーボン繊維を用いて低圧含浸用プリフォームの作製を行った。浸透を低圧化させるためにプリフォーム中の空隙表面中の改質を行った。まず、微細空孔に内部まで均一なニッケル薄膜を形成させるため、前処理の検討、めっき液への流れ付与、超音波の利用、めっき液の種類、濃度の調整により、プリフォーム内の強化材表面にサブミクロン厚程度の均一で薄いめっき層を付着できた。また、カーボン繊維と銅粉末を積層させながら放電焼結することにより、数気圧の含浸圧力に耐えられ、低圧含浸可能なプリフォームの作製できた。更に、アルミナ繊維にシリカを添加することにより、低圧含浸の可能性を調べた。その結果、シリカの添加は含浸圧の低減化に効果があることが分かった。
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