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2009 年度 実績報告書

イオン液体を環境負荷低減物質として応用するための粘度および密度測定に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21560786
研究機関日本大学短期大学部

研究代表者

栗原 清文  日本大学短期大学部, 教授 (50186508)

キーワード環境材料 / 物性実験 / 化学工学
研究概要

本年度に実施した研究成果は以下の通りである.
1.イオン液体の粘度に関する文献調査
イオン液体の粘度データについての文献調査を行い,収集した粘度データを,イオン液体物性データベースに入力した.収集した文献数は,イオン液体68種を含む198件であった.これより,現状で論文として公表されているイオン液体の粘度に関する情報を把握すると共に,その問題点の整理および今後の実験計画の作成のための指針を得た.
2.粘度計の校正
購入した密度計(測定可能温度範囲293.15~363.15K)を用いてCanon社製粘度校正用標準試料N75の密度測定を行い,その結果に基づき,既知のN75の粘度データに基づき,落球式粘度計の校正すなわち装置定数Kの決定を行った.この結果,K値は落下角度20゜において温度の一次関数として表すことができることを見出した.
3.落球式粘度計ならびに測定方法の検証
文献値が比較的豊富な次の2種のイオン液体(1-Butyl-3-methylimidazolium tetrafluoroborate([BMIM][BF_4]),1-Butyl-3-methylimidazolium hexafluorophosphate([BMIM](PF_6]))を対象に,温度293.15から353.15Kにおいて粘度測定を行い,落球式粘度計並びに測定方法を検証した.この結果,本実測値と文献値の比較から,前述の装置定数Kを用いて,イオン液体の正確な粘度データを測定できることを確認した.
4.イオン液体の粘度測定
粘度データが298.15Kの粘度データしか報告されていない,2種のイオン液体(1-Ethyl-3-methylimidazolium tetrafluoroborate([EMIM][BF_4]),1-Methyl-1-propylimidazolium bis(trifluoromethylsulfoyl((MPP][TFSI]))の粘度を293.15から353.15Kにおいて測定した.この結果,イオン液体を実際のプロセスに応用する際に必要となるこれらイオン液体の粘度が持つ温度依存性を解明した.
5.粘度データの解析
実測したイオン液体の粘度のデータを温度の関数として表現するためのデータリダクションの検討を行い,いずれもArrhenius型ではなくVogel-Fulcher-Tamman(VFT)型で表されることを確認したことから,4種のイオン液体のVFTパラメータを粘度の実測値に基づき決定した.決定したパラメータを用いると,実測した温度だけでなく任意の温度でその粘度を算出できるため,本パラメータは工学的だけでなく工業的にも有用であると考える.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 落球式粘度計を用いたイオン液体[BMIM][BF4],[BMIM][PF6]の温度293.15-353.15Kにおける粘度測定2009

    • 著者名/発表者名
      牧野太郎, 河内天平, 松田弘幸, 栗原清文, 栃木勝己
    • 学会等名
      平成21年度(第53回)日本大学理工学部学術講演会
    • 発表場所
      日本大学理工学部駿河台校舎(東京都)
    • 年月日
      2009-11-28
  • [学会発表] 落球式粘度計を用いたイオン液体[BMIM][PF4],[BMIM][PF6]の温度293.15-353.15Kにおける粘度測定2009

    • 著者名/発表者名
      牧野太郎, 河内天平, 松田弘幸, 栗原清文, 栃木勝己
    • 学会等名
      分離技術会
    • 発表場所
      明治大学生田校舎(東京都)
    • 年月日
      2009-06-13

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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