研究概要 |
1.クロルベンゼン-塩化亜鉛不均一溶液に、周波数22.7,25.8,36.6,100,298,480kHzの超音波を照射し、得られる黒色粒子量を比較した。その結果22.7~36.6kHzの低周波では黒色粒子が生成したが、298kHz,480kHzの高周波では生成しなかった。 2.黒色粒子のTEM-SEM写真およびDLS粒径解析から、照射超音波の周波数が高くなるにつれ黒色粒子のサイズが小さくなる傾向があることがわかった。 3.照射超音波周波数が低い場合には生成する黒色粒子の凝集が起こる傾向があることが分かった。 4.ほとんどの黒色粒子は無定形であったが,100kHz超音波照射では金属触媒を用いた化学気相成長法で作ることのできる竹形ナノチューブと呼ばれる多層カーボンナノチューブが生成した。生成する炭素マテリアルが周波数依存的に変化する可能性が示唆された。 以上のような照射超音波による炭素粒子生成に対する周波数効果に関する知見は,液相系超音波CNT合成法の開発とってキーとなる情報であり,次年度における炭素マテリアルの合目的抽出研究の基盤となるものであると考えられる。
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