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2010 年度 実績報告書

第一原理と統計解析を統合したグレイボックスモデルに基づく品質実現力強化

研究課題

研究課題/領域番号 21560793
研究機関京都大学

研究代表者

加納 学  京都大学, 工学研究科, 准教授 (30263114)

研究分担者 長谷部 伸治  京都大学, 工学研究科, 教授 (60144333)
殿村 修  京都大学, 工学研究科, 助教 (70402956)
キーワード品質実現力 / グリイボックスモデル / Locally Weighted Partial Least Squares / Process Analytical Technology / Virtual Metrology / ソフトセンサー / Just-In-Timeモデル / 産業応用
研究概要

本年度の顕著な研究成果は大きく分類して2つある.1つはLW-PLS(Locally Weighted Partial Least Squares)の医薬品製造プロセスおよび半導体プロセスへの適用であり,もう1つは鉄鋼プロセスを対象としたグレイボックスモデルの開発である.以下,それぞれの概要を述べる.
1) LW-PLSの医薬品製造プロセスおよび半導体プロセスへの適用
昨年度に基本技術を開発したLW-PLSをさらに改良し,医薬品製造設備を対象とした洗浄後残留薬物測定法および顆粒中API(Active Pharmaceutical Ingredient)含量測定法を開発し,実機データでの検証を実施した.残留薬物測定にはIR-RASを,API含量測定にはNIRSを利用し,測定スペクトルを入力としてLW-PLSモデルを構築した結果,いずれの適用でも従来法に比べて推定誤差(RMSE)を約30%改善できた.リアルタイムモニタリングの実現に大きく寄与する結果である.さらに,半導体プロセスのドライエッチ工程を対象として,製造条件からエッチング変換差を予測するLW-PLSモデルを構築した結果,プロセス特性変化に適応できる特長のため,従来法に比べて推定誤差を約40%改善できた.高品質製品の安定製造に不可欠なVM(Virtual MetrOlogy)技術として,今後の展開が期待される.
2) グレイボックスモデルによるタンディッシュ内溶鋼温度推定
鉄鋼製品の品質に大きな影響を与えるタンディッシュ内溶鋼温度の精密制御を実現するために,二次精錬から連続鋳造までを対象とする物理モデルを構築し,その推定誤差を統計的モデルによって補償するグレイボックスモデルを開発した.実機データでの検証を実施した結果,物理モデルあるいは統計的モデル単独と比べて推定誤差を約40%改善できた.高品質製品安定製造の基盤技術として期待される.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (6件)

  • [学会発表] 取鍋およびタンディッシュ内溶鋼温度推定モデルの構築2011

    • 著者名/発表者名
      大倉才昇
    • 学会等名
      日本鉄鋼協会第161回春季講演大会
    • 発表場所
      東京都市大学(東京)
    • 年月日
      20110325-20110327
  • [学会発表] NIRと局所PLSによる顆粒中主薬濃度の推定2011

    • 著者名/発表者名
      金尚弘
    • 学会等名
      化学工学会第76年会
    • 発表場所
      東京農工大学(東京)
    • 年月日
      20110322-20110324
  • [学会発表] 非線形システムを対象とした適応的なPLSモデル構築手法2011

    • 著者名/発表者名
      金尚弘
    • 学会等名
      計測自動制御学会第11回制御部門大会
    • 発表場所
      琉球大学(沖縄)
    • 年月日
      20110316-20110318
  • [学会発表] 局所回帰モデルによる半導体プロセスドライエッチ工程の品質管理2011

    • 著者名/発表者名
      平井都志也
    • 学会等名
      計測自動制御学会第11回制御部門大会
    • 発表場所
      琉球大学(沖縄)
    • 年月日
      20110316-20110318
  • [学会発表] Estimation of Active Pharmaceutical Ingredients Content in Blending Process for Drug Products Manufacturing2010

    • 著者名/発表者名
      Sanghong Kim
    • 学会等名
      AIChE Annual Meeting
    • 発表場所
      Salt Lake City, US
    • 年月日
      20101107-20101112
  • [学会発表] 医薬品製造プロセスにおける含量均一性推定手法の開発2010

    • 著者名/発表者名
      金尚弘
    • 学会等名
      化学工学会第42回秋季大会
    • 発表場所
      同志社大学(京都)
    • 年月日
      20100906-20100908

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公開日: 2012-07-19  

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