研究課題/領域番号 |
21560804
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研究機関 | 熊本県産業技術センター |
研究代表者 |
永田 正典 熊本県産業技術センター, 材料・地域資源室, 研究参事 (60399673)
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研究分担者 |
永岡 昭二 熊本県産業技術センター, 材料・地域資源室, 研究主幹 (10227994)
城崎 智洋 熊本県産業技術センター, 材料・地域資源室, 研究員 (70554054)
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キーワード | 色素増感太陽電池 / カーボン / 酸化チタン / セルロース / 酸化亜鉛 / カラム / 透明フィルム / ヨウ素 |
研究概要 |
色素増感太陽電池は、1)透明電極基板、2)酸化物半導体微粒子、3)色素、4)電解液、5)対向電極、6)封止材によって構成されている。申請者らが以前、開発したカーボン/酸化物半導体複合球状粒子は多孔質であり、チタニアを多く表面に保持している。また、酸化物半導体として、バンドギャップはチタニアと同等であるが、チタニアに比べて100倍以上電子の移動度が高い酸化亜鉛を用いることでより高効率な色素増感太陽電池を得ることが期待される。 今回、酸化物半導体光電極の作製と評価のために、1)酸化亜鉛球状ナノ粒子をエタノール/水混合溶媒中に分散させることでペースト化し、2)透明電極基板に塗布してから熱アニーリングを行い、3)色素を複合化させてから太陽電池セルを組み、4)疑似太陽光の照射下で光電変換効率等の測定を行った。熱処理の温度を室温~500℃まで変化させてみたところ、チタニアの場合と異なり、300℃以下の方が高い性能の太陽電池が得られ、特に100℃で熱処理した場合が最も光電変換効率の高いセルが得られた。このことから、酸化亜鉛微粒子を用いることで、高温での熱処理に耐える事ができないプラスチック等を基板に用いることが可能となり、カラム型太陽電池のカラムにプラスチック透明電極を使用することが可能となった。また、性能は高いが熱に弱いという特性の、インジウム-スズ電極を用いることも可能となり、より高性能な太陽電池を作製することが可能となった。これまでは1.4%の光電変換効率のセルしか得られていなかったが、3.2%の変換効率のセルを得る事が出来た。さらに色素を複合化させた酸化亜鉛微粒子を筒状にしたITO-PENフィルムに充填し、電解液を浸透させ、カーボン電極と組み合せることによりカラム型太陽電池を作製した。このセルの通電を確認することができ、光照射によって抵抗が生じることが分かった。
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