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2011 年度 実績報告書

培養皿の培養面に塗布した機能物質による多能性幹細胞(ES・iPS細胞)の分化制御

研究課題

研究課題/領域番号 21560809
研究機関山梨大学

研究代表者

黒澤 尋  山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (10225295)

キーワード再生医学 / 細胞・組織 / 発生・分化 / 生体材料 / 表面・界面物性 / ES細胞 / リン脂質ポリマー / 胚様体
研究概要

本研究では、培養容器表面に配した機能物質により、多能性幹細胞由来胚様体(EB)の分化状態を任意にコントロールすることを目指した。また、ES細胞とiPS細胞の機能物質に対する応答性の違いについても検討することにした。
培養表面がEBの分化状態に影響することは明らかになったが、分化状態をコントロールするには、なお検討が必要であった。ES細胞とiPS細胞では、同じマウス由来の細胞であっても、機能物質に対する応答性は異なった。その応答性の違いは、ヒトiPS細胞とマウスES細胞ではさらに大きく異なり、マウスES細胞の結果をもって、ヒトiPS細胞への機能物質の影響を推定することは不可能であることが示された。また、EB形成以前の細胞の状態、すなわち継代培養時の細胞の状態(未分化性や活性)が、EB形成に大きく影響するため、培養表面の機能物質の影響を正確に評価することは困難であった。このため、細胞の継代培養の条件を厳しく設定し、実験に供する細胞の質をコントロールすることの重要性が再認識された。継代培養の管理はヒトiPS細胞においては特に重要で、実験の再現性を得るには、継代培養の改善が不可欠である。継代培養を不安定化する要因の一つとして、フィーダー細胞との共培養が考えられたので、次に、フィーダーフリーの培養に適する培養表面について検討した。独自に開発した培養面を、すでに市販されている培養面と比較検討した。その結果、数種の試作品において、未処理の培養面にくらべて細胞接着性の改善がみられたが、フィーダーフリーの継代培養が実現できるレベルは達成できなかった。試験した市販品サンプルの内、最も良好な結果を得たサンプルは実用的なレベルにあることを確認した。今後は、この市販品サンプルを開発目標とすることにした。
以上のように、多能性幹細胞の分化制御については、最も応用が期待されるヒトiPS細胞において依然として課題が多く、今後さらなる検討が必要である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考]

    • URL

      http://www.bt.yamanashi.ac.jp/modules/kenkyu/index.php?content_id=6

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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