研究概要 |
増加の一途を辿っている宇宙ごみの増加割合を低減させるため、各国が対策を取りつつあるが必ずしも効果が上がっていない。そこで、国際標準化機構(ISO)などの国際規格を通じて宇宙ごみの低減が検討されている。2007年度にフランスより提案された規格案(11227)もそうした活動の一つであり、宇宙用に使用する林料において、事前に地上において新たな宇宙ごみが生じにくい材料を選定するための試験方法の規定である。しかしながら、日本ではこれまでこのような試験を想定しておらず、十分な試験体制が取れていなかった。このように今回フランスから提案されている試験方法が妥当なものか、そして、日本が使用している材料が宇宙環境保全に適合している材料か否かを判断できない状況であったが、本研究活動を通じて日本国内で規格案11227をベースにしたイジェクタ試験体制を整えることができた。 さらに日本の方からウィットネスプレートの材質、表面状態、クレータ痕の検出方法、ターゲットの取り付け方法、ターゲットとウィットネスプレートとの距離など具体的な実験方法について,数多く提案し、これらはAppendixという形で規格案利用者に情報提供されるように計った。これにより規格案だkでなくAppendixを読むことで同じ内容の実験を容易に再現できるように配慮した。 現在ISOに提案されている本規格案は2011年度末現在FDIS (Final Draft IS)段階まできており、今後、ISO本部(ジュネーブ)と規格案の最終確認作業を行うところまできている。さらに、JAXAとも協力しあうことで、JAXA衙星設計標準にも本研究成果の一部を取り上げて頂いており、日本の宇宙開発、とりわけ、宇宙環境保全活動に貢献してきている。
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