研究概要 |
本研究の目標は、優れた発電効率を有する可動物体型の波力発電装置を開発することである。波力発電装置については多くの装置が考案されているが、本研究ではその中から、室蘭工大の近藤らによって研究が行なわれた着底式振り子式波力発電装置を基本的な構造とし、この装置を浮体とした浮体型振り子式波力発電装置を対象どする。特に浮体型振り子式波力発電装置の一次変換効率に着目し、この効率を向上きせるための手法を実験的にまた数値解析的に明らかにすることを目的とする。また、波力発電装置の性能評価に重要な要素となる、造波試験における入射波の計測に対して、その計測精度を向上できる解析手法の開発も目的とする。 本研究では、平成22年度に、可変式トルクダンパーを用いて.実機の発電機を模擬した負荷を発生させることが可能な供試体模型を製作した.さらに製作した模型および、佐賀大学海洋エネルギー研究センター(以下,当センター)が所有する2次元造波水槽を用いて水槽実験を行った。当センターの造波水槽は吸収制御式造波装置を両端に備えており、一端の造波装置で波浪吸収運転を行なう事で、散乱波および放射波の影響が少ない実験を行なう事ができるものである。実験では、浮体型振り子式波浪発電装置の規則波中における一次変換特性、および浮体運動特性を調べた。実験の結果、この波力発電装置の一次変換効率は、ピーク値で80%程度であることがわかった。次に、実験により得られた浮体型振り子式波浪発電装置の運動およひ、出力などを求める解析コードの開発を開始した。
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