研究課題/領域番号 |
21560845
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
柴山 敦 秋田大学, 工学資源学研究科, 教授 (30323132)
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研究分担者 |
高崎 康志 秋田大学, 国際資源学教育研究センター, 准教授 (50282158)
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キーワード | 資源処理 / 資源回収 / 白金族(PGM) / レアメタル / 選鉱尾鉱 / 浮遊選鉱法 / 磁力選別 |
研究概要 |
平成22年度の研究では、浮選尾鉱中の白金族(PGM、Platinum Group Metals)の回収として物理選別による濃縮プロセスの検証を行ったほか、新たに関連テーマとして着手した浮選尾鉱(銅-モリブデン鉱山から発生)からのレアメタル回収では、浮遊選鉱法の高度利用を中心に銅、モリブデンの再回収プロセスの構築について研究を行った。 本研究では、南アフリカで発生した浮選尾鉱を供試サンプルに、平成21年度得られた結果を踏まえ、磁界強度を調整した2段磁力選別の最適化を試みた。結果的には、初期の白金品位0.7g/tが40g/t、同じくパラジウム0.2g/tは10~13g/tに濃縮することを再現性を含めて確認し、白金の富鉱比(品位の向上度を示す)が約57、パラジウムが65と非常に高い濃縮性を示すことを明らかにした。同じく、製錬プロセスの可能性を調査した結果、湿式溶解処理に比ベニッケル粉末に白金族を固溶化させる濃縮回収処理を用いた方が定量性および白金の濃縮に優れ、この手法を採用した白金族の分離フローを明示することができた。 関連研究として実施した銅-モリブデン選鉱尾鉱からの銅-モリブデン回収では、粗選工程から発生する尾鉱(粗選段階の尾鉱銅品位0.07%、モリブデン品位0.01%)を対象に、多段浮選(浮遊選鉱法)と再摩鉱・脱スライム処理を組み合わせた高度処理の検討を行った。単体分離度の向上やスライム分の除去により、銅、モリブデン品位はそれぞれ2.07%、0.64%まで上昇し、回収率も48.60%と65.97%を得るなど、尾鉱あるいは低品位鉱石からのレアメタル回収につながるプロセス構築の可能性を明らかにした。
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