研究概要 |
平成21年度の研究実績は以下のとおりである. 実用機に相当する直径1000mmのロールを装着した縦型高速双ロールキャスターを試作した.60m/mimの高速でAl-Si-Mg合金板の作製が可能であることを明らかにした.従来の高速双ロールキャスターで発生した,内部欠陥を排除することができた. Al-Si-Mg-Cu合金も同様に薄板の作製が可能であった.Cuを添加することで準固相線温度範囲が広がり,かつ靭性が低下するので鰐口割れが発生しやすくなるが,冷却区間の拡大により欠陥の発生を低減することができた. リサイクル材を想定して0.2%のFeを添加した.一般的には,自動車のボディーシート材は1回のリサイクルで0.2%増加するとされている.0.2%のFeが増加した場合も,機械的性質は顕著に低下しなかった. 本研究が目指す等品位リサイクルの可能性を,初年度は明らかにすることができた.
|