研究課題/領域番号 |
21560854
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研究機関 | 一関工業高等専門学校 |
研究代表者 |
貝原 巳樹雄 一関工業高等専門学校, 物質化学工学科, 教授 (20290687)
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研究分担者 |
千葉 悦弥 一関工業高等専門学校, 電気情報工学科, 准教授 (90163732)
金野 茂男 小山工業高等専門学校, 電子制御工学科, 教授 (00186371)
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キーワード | プラスチック / リサイクル / 種類判別 / 人工知能 / 普及型プラスチック種類判別機 / 近赤外分光計 / 教育用キット |
研究概要 |
プラスチックのリサイクル促進を目的とした種類判別を近赤外分光計にて行う方法は、比較的、広範に利用されている。しかしながら、大部分はリサイクル専門業者が使用している状況である。これは、1台、約300万円と専門業者でなくては購入しない価格となっていることが大きな理由であろう。プラスチックの種類分別を近赤外分光スペクトルを用いて行う場合、市販の分光装置の大部分は過剰仕様と考えられる。各種プラスチックのスペクトルの種類判別条件を人工知能を用いて解析してみると、幾つかの重要なポイントに着目すれば良い事がわかる。そこで、プラスチックの種類分別が可能となるレベルの分解能を持ち、なおかつ、原価20万円程度(価格は現行装置の1/10程度)の普及型プラスチック種類判別機の開発を目的とした。この開発により、大きな病院、学校、スーパーなどの公共の場でも利用できる分散型のプラスチック分別が普及し、リサイクルマーケットも拡充することが期待される。 開発装置は、ハロゲン光源、レンズ、光チョッパー、モノクロメーター、光センサー、信号増幅器(プリアンプ、ロックイアンプ)からなる。また、その制御と信号処理はUSB接続型でPCにより一括して行う。 H23年度は、装置のSN比対策として、光源電源を交流から直流へ変更し、入力オペアンプのアップグレード、各種抵抗の被膜を金属に変更する事、および、スリット部位への集光効率を向上させるためのレンズの適正化と光源パワーのアップを推進した。また、PCによる制御とデータ処理については、その使い勝手を向上するために、測定信号のリアルタイム表示、スペクトル表示、さらに、主なプラスチック、13種類のいずれに最も近いのかなどを一括してウインドウに表示する方式とした。分析化学に関わる学会で発表したところ、化学と電気・情報分野の異分野融合研究として、また、安価な部品から装置を製作するため、ブラックボックス化する分析装置の原理と仕組みを理解するための教育用キットとしても評価頂いた。
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