研究概要 |
核融合炉の圧力上限は究極的には磁気流体不安定性の一種である抵抗性壁モードで制限される。核融合炉の定常化、高効率化には抵抗性壁モードの安定化が必須である。本年度は外部コイルを用いたフィードバック制御による抵抗性壁モード安定化において、制御コイルがプラズマ表面に対して小さいことが原因となる抵抗性壁モードのMode-rigidityの成立性と側帯波の問題に焦点を絞って研究を行った。 RFXは192個のRWM制御コイルを持ち、プラズマ表面全体をこのコイルで覆っている。このコイルの個数を減らすことによって実験を行った。本年度の実験ではRFP配位のプラズマに対し、192個から48,24,16,12,8,とコイルの数を減らしてRFXの今回のプラズマで最も不安定なm=1,n=-6のモードの安定化を試みた。コイルを減らしてもコイル数がモードの節の数の約数の場合を除き、安定化可能であることが確認された。しかしながらコイル数が少ない程、コイルが励起する側帯波の振幅は非常に大きくなり、プラズマが非軸対称の高次な変形を伴い、プラズマ性能の悪化やプラズマの消滅に至ることが確認された。また、側帯波モードがプラズマの準安定なモードであった場合、プラズマに寄って側帯波モードが増幅される、いわゆるResonant Field Amplifyについても観測した。これらの実験によって抵抗性壁モードのMode-rigidityが比較的維持されることが判明したが、側帯派の影響が大きいため、コイルの形状及び個数が制御に大きな影響を与えることが確認された.この結果はJT-60SAやITER等の将来の炉の抵抗性壁モード安定化コイルの設計に大きな影響を与えると予想される。
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