研究課題/領域番号 |
21560877
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
岡本 芳浩 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (70370369)
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研究分担者 |
矢板 毅 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (40370481)
塩飽 秀啓 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (10222043)
鈴木 伸一 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (60354841)
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キーワード | イメージング / 放射光 / 元素分析 / 核燃料 / 再処理 |
研究概要 |
X線ビームのサイズを入射スリットによる100μm四方に絞った状態で、整備した電動ステージ上に試料を乗せ、ビーム方向(Y軸)に垂直にX-Z軸方向の2次元に試料を動かし、感度に優れた半導体検出器を使い、2次元マッピングの取得を行った。さらに、スリットを使用せずにX線ビームサイズを大きくして、検出部にX線CCDカメラを使用した2次元マッピング分析を実施した。いずれの分析においても、対象元素の分布を詳細に可視化することに成功した。さらに、X線エネルギーをスキャンしたデータを取得し、吸収端以降の微細振動(XAFS)を解析することで、微小領域に分布する当該元素の化学状態を知ることにも成功した。 試験では、まずRb、SrおよびYの3種類の元素の酸化物や硝酸塩を混合した試験試料を調製し、イメージングの試験対象とした。それぞれのK吸収端前後のエネルギーにおいて強度測定を2次元的にスキャンして行い、元素含有量を取得し2次元マッピング可視化した。さらに、Zrの金属と酸化物の混在した試料を対象として、同じ元素の中でも、金属と酸化物の分布を分ける、元素の化学状態のマッピング分析までの試験を行った。スリットによってビームを絞った測定では100μmの、X線CCDカメラを使用した測定では約50μmの分解能があることを確認した。これらの分解能の向上については、次年度以降の課題とした。 最終的に、本来の目的である核燃料の分析の予備的段階として、微量のウラン酸化物の入った試料を対象としてイメージング測定を行った。まず、2次元マッピング解析から、微量のウランが含まれる微小領域を把握した。さらに、その領域のイメージングデータの詳細な解析から、含まれるウラン酸化物の化学状態がU_3O_8であることまで突き止められることを確認した。
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