平成21年度は、まず、再生可能エネルギーにより得られた発電電力量に対する2つの制度(FIT制度とRPS法)の比較を目的として、入れ子型自律分散エネルギー需給システムモデルの作成と、その得られたモデルを用いた、シミュレーション実験手法によるロバスト制度設計手法の開発を行った。具体的には下記の検討を進めた。 (1) 実験経済を取り入れたシミュレーション実験環境の整備実験経済を取り入れたシミュレーション実験環境では、第三者でも利用可能な簡便なシステムを作成した。 (2) マクロ的視点からみた受容困難な状況の想定FIT制度とRPS制度の各々について、制度設計の目標を定め、エネルギー需給システム全体において受容可能な導入量の範囲を想定した。 (3) 実務担当者へのヒヤリング調査および実験経済結果に基づくミクロ的意思決定モデルの同定 (1) のシステムを用いて、太陽電池導入促進のための二種類の制度の下での投資に係る意思決定の行動アルゴリズムの集合を作成した。 (4) 入れ子型自律分散エネルギー需給システムにおける各意思決定者間の相互影響の構造の推定、不確実性に対する意思決定者の反応のモデル化複数意思決定者の意思決定行動を、入れ子型自律分散エネルギー需給システムとしてその相互影響の構造を含めてモデル化した。
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