研究概要 |
本年度ではタイの籾殻利用の特徴を調査、整理し、その特徴を組み込んだ籾殻取引シミュレーションモデルを、自律分散意思決定モデルとして、成した。そして籾殻の価格高騰問題解決に向け、そのモデルを用いたシミュレーションに基づき制度評価を行った。まず、調査に当たっては、もみ殻取引に関する利害関係者(ステークホルダ)を特定し、そのステークホルダに対するヒヤリング調査を実施した。そして、そのヒヤリング結果に基づいてもみ殻に関する意思決定機構を抽出、モデル化を行った。そして、タイの籾殻利用の特徴を調査、整理し、その特徴を組み込んだ籾殻取引シミュレーショシモデルを作成した。そして籾殻の価格高騰問題解決に向け、そのモデルを用いたシミュレーションに基づき制度評価を行った。具体的には,籾殻利用め問題点である「価格高騰」「回収されない小規模rice millの籾殻の存在」「輸送距離の拡大」を改善する制度の評価を行った。制度方策については、「代替燃料制度」「契約出力拡大制度」「政府の籾殻一括購入・定額販売制度」「power plantとrice millの専属契約の義務化制度」などの制度下でシミュレーションの挙動を確認し、問題点が改善されることを確認した。さらにこうした制度を併用して施行する「制度ミックス」下でのシミュレーション結果において、前述の全ての問題点が改善されたことも確認した。 以上、本研究では、調査及びシミュレーション実験を通して、本研究プロジェクトで開発したシミュレーションベースの制度設計手法の有効性を確認した。
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