研究概要 |
平成22年度の研究実施計画の4項目について,対応項目別に記述する. 1. インクジェットプリンタにより多孔質薄膜電極上に作製した場合の検討 銀ナノインクを用いた線リード構造の作製は,平滑面上では成功したが,多孔質薄膜上に作製すると,膜への浸透により,所定の幅と厚さ,体積伝導率の得られない結果となった.そのため,電極面の全面に薄膜作製を行う実験を行ったところ,性能向上を期待できる結果が得られた 2 インクジェットプリンタによる微細網目リード構造の製作方法の検討 微細網目構造ではなく,多孔質Mo電極面全面に,白金,Ag,その両者の複合膜を作製した.厚さは,主材料の多孔質膜が0.5~5μm,抵抗改善用薄膜は0.1μm程度である.電極膜における粒形状は数μmである,抵抗改善用薄膜により,隣同士の粒形状の電気的接触は小さくなる結果を得た.同時に,Na蒸気移動に対しては大きく影響しない結果が得られ,電極膜として有効であるとの指針を得た. 3 作製電極部の気相電極評価装置による実験の実施と評価 3種類の抵抗改善用薄膜を比較し,その特性を高周波インピーダンス法により明らかにした.現在,白金薄膜を用いると,全体性能に換算して15%程度高まることが測定された.より安価な材料の探索と実験を予定している. 4 電極部構造の解析手法を発展させ,多孔薄膜電極とリード構造による電極部の最適化手法開発 微細リード構造の作製パラメータが変更となったため,最適化手法の計算モデルを考える必要がある.多孔質で粒形状電極の横方向の電気抵抗をモデル化する必要性が課題である.この項目は,平成23年度に主に実施する.
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