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2011 年度 実績報告書

植物ヘテロクロマチン領域の反復配列サイレンシング機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21570008
研究機関独立行政法人農業生物資源研究所

研究代表者

土生 芳樹  独立行政法人農業生物資源研究所, ゲノム機能改変研究ユニット, 主任研究員 (80266915)

キーワードエピジェネティクス / シロイヌナズナ / DNAメチル化 / ヒストンメチル化 / Morpheus' Molecule 1 / トランスポゾン / 小分子RNA / サイレンシング
研究概要

本年度は、RdDM経路やヒストン修飾の段階で機能するさまざまな因子遺伝子とMOM1との多重変異体の解析と、MOM1に見られるクロモドメインの機能解析を行った。
1、mom1変異体とkyp変異体(ヒストンH3K9メチル基転移酵素遺伝子の変異体)およびago4変異体(RdDM経路で機能するARGONAUTEタンパク質遺伝子の変異体)を交配し、mom1 kypおよびmom1 ago4二重変異体を得た。現在、内在性不活性化領域を指標として、これらの変異体におけるヒストン修飾状態の解析をChIPにより進めている。
2、イネMOM1にはシロイヌナズナMOM1には見られないクロモドメインが存在する。MOM1によるサイレンシング機構におけるクロモドメインの必要性を検証するために、イネを用いた解析を行った。イネにはMOM1遺伝子が2コピー存在するが、これまでの解析から、そのうちの片方(MOM1b)が内在性トランスポゾン様配列(Pong6)のサイレンシングに必要であることが明らかになっている。2kbのプロモータ領域を含む野生型MOMlb遺伝子およびクロモドメ・インがメチル化リシンに結合する機能に必須の役割を果たすアミノ酸残基に変異を導入した変異型MOM1b遺伝子にtriple HAタグを結合してmom1b遺伝子変異体に導入し、Pong6のRNA蓄積量を指標とした相補実験を行ったところ、野生型、変異型いずれのMOM1b遺伝子の導入個体においてPog86の発現抑制が見られた。このことは、イネMOM1に存在するクロモドメインがサイレンシング機能に必要ではないことを示唆する。他の植物種のMOM1タンパク質が持つPHD fingerなどのクロマチン関連モチーフもシロイヌナズナMOM1には存在しないことと合わせて、MOM1がCHD3タンパク質から進化してきた過程で、クロモドメインやPHD fingerなどのドメインを必要としない特殊なサイレンシング機構を獲得したことが考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] siRNA-mediated chromatin maintenance and its function in Arabidopsis thaliana2011

    • 著者名/発表者名
      Tatsuo Kanno, Yoshki Habu
    • 雑誌名

      Biochim Biophys Acta

      巻: 1809 ページ: 444-451

    • DOI

      10.1016/j.bbagrm.2011.05.002

    • 査読あり
  • [学会発表] Involvement of SGS3 in trans-acting siRNA production in Arabidopsis thaliana2011

    • 著者名/発表者名
      Yoshikawa M, 他
    • 学会等名
      NTU-JST Join Meeting on RNA and Biofunctions-Asia Studies
    • 発表場所
      台北(台湾)
    • 年月日
      20111110-20111112
  • [学会発表] Processing of miR173-targeted TAS RNAs in Arabidopsis thaliana2011

    • 著者名/発表者名
      Yoshikawa M, 他
    • 学会等名
      The 16th Annual Meeting of the RNA Society and The 13th Annual Meeting of the RNA Society of Japan
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      20110614-20110618
  • [学会発表] ペチュニア園芸品種(Petunia x hybrida)にピコティ形質を付与する低分子RNAの解析2011

    • 著者名/発表者名
      森田裕将, 他
    • 学会等名
      園芸学会平成23年度春季大会
    • 発表場所
      宇都宮
    • 年月日
      2011-03-20
  • [図書] Mechanisms linking cytosine methylation to histone modification in Arabidopsis thaliana. In : Non coding RNAs in plants2011

    • 著者名/発表者名
      Kyohei Arita, et al
    • 総ページ数
      237-249
    • 出版者
      Springer
  • [図書] 植物におけるRNAサイレンシング機構:転写後型ジーンサイレンシング(PTGS)と転写型ジーンサイレンシング(TGS)2011

    • 著者名/発表者名
      吉川学, 他
    • 総ページ数
      706-711
    • 出版者
      学研メディカル秀潤社

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公開日: 2013-06-26  

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