• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

体細分化と生殖細胞分化におけるゲノム刷り込みの成立と消去

研究課題

研究課題/領域番号 21570009
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

三瀬 名丹  独立行政法人理化学研究所, 動物変異動態解析技術開発チーム, 開発研究員 (00360644)

キーワードES細胞 / 生殖細胞分化 / 試験管内分化系 / ゲノム刷り込み / DNAメチル化 / ヒストン修飾 / EG細胞 / SNPs
研究概要

ゲノム刷り込みの実験モデルとして、独自に樹立した亜種間雑種ES/EG細胞の性質を解析している。ES/EG細胞において刷り込み遺伝子、Igf2r、Air、H19、Igf2、Kcnq1,Kcnq1ot1の発現解析を行った。MSMのゲノム配列情報とB6との間でcSNPの検索を行い、制限酵素多型を多数発見した。この制限酵素多型を利用して、刷り込み遺伝子群の発現解析を行った。未分化ES細胞においては、刷り込み遺伝子の発現は様々であったが、分化後のES細胞においてはいずれも刷り込み型の発現様式を示した。一方,刷り込み遺伝子のメチル化が全く失われているEG細胞株においては分化後も,両アレルから発現していた。以上から,刷り込み型遺伝子発現を支配しているのはDNAのメチル化であり、その発現様式が成立するのは分化後の細胞であることがわかった。
刷り込み型遺伝子発現制御のクロマチンレベルでの制御機構を明らかにするために、クロマチン免疫沈降法(ChIP)についての技術確立を行った。抗修飾ヒストン抗体を用い、亜種間雑種胚由来線維芽細胞を対象にChIPを行った。その結果、予想されるパターンで刷り込み遺伝子座のクロマチンにヒストン修飾が入っていることが確認された。亜種間のゲノムに存在するSNPsにより制限酵素多型を利用して、クロマチンの修飾がアレルの由來で異なり、その割合を定量的に検出する技術を確立できた。ES細胞の試験管内分化系により、生殖細胞分化過程とゲノムの再プログラム化を解析している。Vasa-Venus BAC Tgマウスから樹立したVasa-Venus ES細胞は分化させることで、効率かつ再現性よくPGC様細胞(iPGC)に分化させることができる。このiPGCをVenusの蛍光を利用して分取することができた。現在そのゲノムDNAのメチル化の状態、及びRNAの発現プロファイリングを行っている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] The X-linked imprinted gene family Fthl17 shows predominantoly female expression following the two-cell stage in mouse embryos2010

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi S, Fujihara Y, Mise N, Kaseda K, Abe K, Ishino F, Okabe M.
    • 雑誌名

      Nucleic Acids Res (in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A high-speed congenic strategy using first-wave male germ cells2009

    • 著者名/発表者名
      Ogonuki N, Inoue K, Hirose M, Miura I, Mochida K, Sato T, Mise N, Mekada K, Yoshiki A, Abe K, Kurihara H, Wakana S, Ogura A.
    • 雑誌名

      PLoS ONE 4(3)

      ページ: e4943

    • 査読あり
  • [学会発表] Analysis of germline differentiation in vitro using mouse ES cell lines that express germline specific fluorescent reporter2009

    • 著者名/発表者名
      三瀬名丹、近藤昌代、池田理恵子、阿部訓也
    • 学会等名
      日本分子生物学会第32回年会
    • 発表場所
      神奈川県・横浜市
    • 年月日
      2009-12-09
  • [学会発表] ES/EG細胞試験管内分化系を用いたゲノム刷り込み型遺伝子発現の解析2009

    • 著者名/発表者名
      三瀬名丹、近藤昌代、阿部訓也
    • 学会等名
      日本遺伝学会第81回大会
    • 発表場所
      長野県・松本市
    • 年月日
      2009-09-17

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi