高山帯におけるアクセスが容易で頻繁に野外観察ができる富山県立山をフィールドとし、森林限界以上の稜線部や斜面上部を中心に広く分布してハイマツを対象に、個体識別した枝の伸長パタンと群落のリターフォール量を継続して調査することで、雪融け時期と気温の変動が本種の生長量に及ぼす影響を評価した。伸長の終了時期は7月下旬に見られ、年変動が小さいこと、伸長終了後に経験する天候が頂芽の形成を通じて翌年の伸長生長に大きな影響を及ぼしていること、リターフォール量の変動も伸長生長量の変動から引起こされていることが明らかとなった。
|