• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

葉緑体ステート遷移にともなう光化学系超複合体の構造変化

研究課題

研究課題/領域番号 21570031
研究機関基礎生物学研究所

研究代表者

皆川 純  基礎生物学研究所, 分子細胞生物学研究部門, 教授 (80280725)

キーワード光合成 / 葉緑体 / 緑藻 / 環境適応
研究概要

本研究は,ステート遷移に伴なう光化学系IIおよび光化学系I超複合体の構造変化を明らかにすることを目的として行っている.本年度は,まずステート遷移前の無傷の光化学系I-LHCI超複合体の構造を決定した.まず,緑藻クラミドモナスのチラコイド膜可溶化条件を比較検討した上で,可溶化チラコイド膜をショ糖密度勾配超遠心法により分離し,得られた光化学系I-LHCI画分を酢酸ウラニルによってネガティブ染色した.単粒子解析の結果,8個のLHCIが結合した巨大な光化学系I-LHCI超複合体が確認された.ホウレンソウやシロイヌナズナなどの高等植物の光化学系I超複合体の構造は電子顕微鏡を用いた単粒子解析により報告されてきた.これまでの報告によると,高等植物では,単量体のLHCIが片側にのみ4個,片寄った形で結合した構造が観察されている一方,緑藻クラミドモナスでは4個以上のLHCIが結合されることが知られていたが,その構造は明らかではなかった.今回,改良された可溶化条件によるクラミドモナス標品において,高等植物で4個のLHCIが結合している部分のさらに外側に4個のLHCIが結合していることがわかり,緑藻の光化学系Iは,二重の半円状の集光アンテナ構成をとることが明らかとなった.緑藻がなぜ大きなステート遷移能力を示すのか,というより本質的な問題へアプローチする上で,基礎的な知見が得られたことになる.また,同じ微細藻類でありながら異なるステート遷移能力を示す珪藻タラシオシラやプラシノ藻オストレオコッカスなどのモデル微細藻類の光化学系Iの構造も単粒子解析も進めている

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Characterization of photosystem I antenna proteins in the prasinophyte Ostreococcus tauri2010

    • 著者名/発表者名
      Swingley, W.D., Iwai, M., Chen, Y., Ozawa, S.-I., Takizawa, K., Takahashi, Y., Minagawa, J.
    • 雑誌名

      Biochim Biophys Acta

      巻: 1797 ページ: 1458-1464

    • 査読あり
  • [学会発表] Imaging state-transitions visualized energy-dissipative hght-harvesting complexes in photosynthesis2010

    • 著者名/発表者名
      Minagawa, J.
    • 学会等名
      国際クラミドモナス細胞生物学会議
    • 発表場所
      スミスフィールド(合衆国)
    • 年月日
      2010-06-09
  • [備考]

    • URL

      http://www.nibb.ac.jp/photo/

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi