研究課題
本研究では、リン脂質合成酵素遺伝子に変異をもつ各種シロイヌナズナ変異株を用いて、根の生長と根の表皮細胞の生体膜形成について、また低温における生体膜形成について、共焦点レーザー顕微鏡による形態観察等により、脂質合成酵素の細胞内局在を明らかにするとともに、リン脂質生合成のしくみと意義に関して新たな知見を得ることを目的とする。WS、cct1,cct2およびcct1 cct2変異株で低温における根の表皮細胞の膜構造の発達をヘキシルローダミンで染色して観察し、同様の変化を高圧凍結SEMを用いて観察し比較した。ヘキシルローダミンによる観察は、前年度のERトラッカーを用いた観察と相補的であった。また、高圧凍結SEMでも表皮細胞直下のER様構造の発達が観察された。これらの成果を第19回国際植物脂質シンポジウムで発表した。今後は、透過型電子顕微鏡を用いて、ER構造を確認する予定である。CCT1およびCCT2との酵母ツーハイブリッド法で単離されたクローンの確認を行い、複数の因子を同定した。CCT1はホモダイマーおよびCCT2とのヘテロダイマーを形成する可能性が示唆された。pect1-4植物におけるCCT1、CCT2ならびに膜動態の観察:植物を低温処理したときの膜動態、CCT1およびCCT2の動態に対するpect1-4変異の影響を調べるために、pect1-4植物とsGFP-CCT1およびsGFP-CCT2植物との掛け合わせ植物の純化を継続した。また、pect1-4植物が低温で成長阻害をおこす原因を明らかにするために、ミトコンドリアを単離し呼吸活性に対するpect1-4変異の影響を調べた、その結果、単離ミトコンドリアの活性は、野生型に較べpect1-4植物で低いことを明らかにした。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)
The Plant Journal
巻: In press