(前年度に、形質転換植物の病害虫感染によって実験計画の遅延を生じたため、23年度まで繰り越して研究を進めた。)高等植物では、葉緑体の発達が阻害されると、葉緑体機能(特に光合成機能)に関わる核コードの遺伝子群の転写が強く抑制される。この調節にはプラスチドから核へのレトログレードシグナル(プラスチドシグナル)が関わる。このシグナル伝達系変異体の多くがテトラピロール合成に関わる遺伝子をコードするため、テトラピロール合成中間体がシグナルであると示唆されているが、その実体は明らかではない。そこで、プラスチドシグナルに異常を示す突然変異体をFOXハンティング系統(アラビドプシスの完全長cDNAを高発現するライン)から選抜し、新規因子を同定した。これにより、bHLH型転写因子やKelchリピートを有する因子がシグナル伝達に関わる可能性がわかった。
|