研究課題
シロイヌナズナのレティキュロン様タンパク質(AtRTN17と18)と相互作用する成分を同定する目的で、N端にGFPを結合させたそれらのタンパク質を培養細胞内に発現きせた。AtRTN17は、主に細胞表層の小胞体ネットワークに取り込まれた。この局在は、このタンパク質に対する抗体を用いた免疫蛍光染色法による染色パターンと一致していた。一方AtRTN18を発現させると、小胞体の形態が太いチューブあるいは袋状の形態に変化した。現在抗GFP抗体を用いた免疫沈降法によって得られた、これらのレティキュロン様タンパク質と相互作用している成分を同定しているところである。一方アメリカのグループが、ダイナミンGTPアーゼの一つであるアトラスチンが、レティキュロンと複合体を形成して小胞体チューブ形成に関与していることを報告した。シロイヌナズナでは、そのホモログであるRHD3が同定させている。このタンパク質のチューブ形成における役割を調べるために、特定領域に対する抗体を作製した。免疫蛍光染色法では、小胞体の表層チューブ状構浩とRHD3の局在は完全には一致していなかった。また細胞内部にも局在が観察されたが、小胞体膜が融合していると考えられている核膜外膜には存在していなかった。現在更にRHD3の局在を詳細に検討しているところであり、同時に小胞体チューブ再形成系を用いて、抗RHD3抗体によるチューブ形成における効果を調べているところである。なお抗AtRTN17抗体によって、チューブ形成が阻害きれることは既に確認しており、この系を用いることによって、他の成分の小胞体チューブ形成における関与を明らかにすることが出来ると期待される。
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Proceeding of the National Academy of Sciences, USA (印刷中)
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