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2011 年度 実績報告書

オートファジーにおいて新規に同定された膜構造体の超微形態解析

研究課題

研究課題/領域番号 21570069
研究機関工学院大学

研究代表者

馬場 美鈴  工学院大学, 附置研究所, 研究員 (80435528)

キーワード免疫電子顕微鏡 / 電子線トモグラフィ / オートファジー
研究概要

酵母のオートファジーにおいて、オートファゴソーム形成初期過程の膜動態について形態学的解析を行った。
1、オートファゴソーム形成に関与する遺伝子(ATG)のうち、6個の遺伝子欠損株はAtg8が脂質結合型となる。これら6個の遺伝子欠損株は免疫電顕法により、膜構造体が検出される株と検出されない株の二つのグルーブに分けられた。膜構造体が検出されるグループの中から1つの欠損株について、膜形態を詳しく調べるために3次元再構成法によるトモグラフィ解析を行った。その結果、膜構造体は、小さな袋状またはチューブ状、あるいはもっと複雑な形態をしていることが判った。液胞内酵素であるアミノペプチダーゼI(前駆体型)の一部が、その膜構造体と密着していることが3次元画像解析から確認された。加えて、その膜構造体は粗面小胞体とも密着または連結していると予測されることが明らかとなってきた。
今回の結果が得られたことから、他に2つの欠損株を選択し、同様な3次元連続傾斜画像の取得とトモグラフィ解析を行った。2つの欠損株とも最初の株と類似した画像解析結果が得られた。
2、もう一方のグループのatg1欠損株は、アミノペプチダーゼIの周囲に顕著な膜構造体は検出されない。ATG9はコピー数を増加させることで初めて形態学的に検出可能となり、その酵素の周囲に膜様構造体が出現した。小さなチューブルのような複雑な形態をしていると予測された。その構造体上におそらく脂質化Atg8の反応は検出されない。この解析過程において、Atg9が膜形成の最初の過程に必須であり、SNARE複合体の一つであるSso1が、この最初の膜形成に関与することを明らかにした。
3、atg5欠損株のアミノペプチダーゼIの周囲には、時折、膜のような構造体が存在する画像が得られた。しかし、Atg9の反応は現時点では検出されていない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] The impact of electron microscopy on autophagy research2011

    • 著者名/発表者名
      Esklinen EL, Reggiori F, Baba M, Kovacs AL, Seglen PO
    • 雑誌名

      Autophagy

      巻: Vol.7 ページ: 1-22

    • URL

      http://dx.doi.org/10.4161/auto.7.9.15760

    • 査読あり
  • [雑誌論文] SNARE proteins are required for macroautophagy2011

    • 著者名/発表者名
      Nair U, Jotwani A, Gene J, Gammoh N, Richerson D, Yen WL, Griffith J, Nag S, Wang K, Moss T, Baba M, McNew JA, Jiang X, Reggiori F, Melia J, Klionsky DJ
    • 雑誌名

      Cell

      巻: 146 ページ: 290-302

    • DOI

      10.1016/j.cell.2011.06.022

    • 査読あり
  • [学会発表] 3D電子線トモグラ フィーにおける濃度分布特徴に基づく細胞内構造体の抽出法2011

    • 著者名/発表者名
      笹島洋輔, 小林博之, 馬場美鈴, 馬場則男
    • 学会等名
      第67回日本顕微鏡学会学術講演会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2011-05-16

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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