昆虫の嗅覚連合学習における条件刺激(匂い情報)を媒介するアセチルコリン(ACh)の下流に位置するシグナル伝達経路を、ケニオン細胞に同定されたイオンチャネル(Na^+活性化K^+チャネル及び電位依存性Ca^<2+>チャネル)の活動を指標に調査した。その結果、AChはM_1ムスカリン性ACh受容体を活性化し、細胞内Ca^<2+>ストアからのCa^<2+>放出、それに続くCa^<2+>・カルモジュリン複合体の活性化そしてNOSの活性化を引き起こしNO産生を誘導することが明らかにされた。M_1受容体活性化により駆動されるNOシグナルカスケードはNa^+活性化K^+チャネルを抑制し、電位依存性Ca^<2+>チャネルを活性化することが明らかになった。
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