研究課題
平成22年度は、開発途中の実験システムを完全実用化させ、同システムを用いた空間行動-中枢ニューロン連関の本格的調査に着手することを研究目標とした。これらについて以下の成果を得た。【新システムの完全実用化】既に昨年度末において、単体としては実用域に達した可動電極ユニットおよびアクティブスリップリングを既存の行動-神経活動計測システムへ組込み、自由歩行コオロギから神経活動を記録することが可能となった。また電極ユニットの多チャンネル化についても、最大2チャンネル搭載が可能となった。【行動実験系の確立】上記システムの運用に適切な行動実験系を確立する取り組みについては、現在も引き続き実施中である。これまで単純な円形アリーナ内における自由歩行を中心に解析をおこなっているが、今後は新たにコーナーやメルクマールをアリーナ内に設定し、空間環境とニューロン発火パターンとの関係について調査予定である。【新システムを用いた実験とデータ解析】昆虫の記憶や学習との関連が示されているキノコ体、および行動の発現や維持に関わるとされる中心複合体を含む前大脳に電極を刺入し、動物行動との関連について調査した。その結果、動物の歩行時に活動パターンが変化するスパイクユニットを約100個程度記録することに成功し、それらの分類と特徴付けをおこなった。さらに蛍光色素を塗布した電極ワイヤの刺入痕を実験後に共焦点レーザー走査顕微鏡で観察することで、記録ニューロンの局在を従来より簡便かつ確実に特定できるようになった。
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Proceedings of the 11th Joint Symposium of Nagasaki University and Jeju National University on Science and Technology
ページ: 236-239
http://www.env.nagasaki-u.ac.jp/kyouiku/shoukai_67.html