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2010 年度 実績報告書

ヒドラの散在神経系の神経生物学

研究課題

研究課題/領域番号 21570081
研究機関福岡女子大学

研究代表者

小泉 修  福岡女子大学, 人間環境学研究科, 教授 (50094777)

研究分担者 美濃部 純子  福岡女子大学, 人間環境学部, 助手 (80190718)
車田 麻美  福岡女子大学, 人間環境学部, 助手 (20458110)
キーワード散在神経系 / ヒドラ / 神経環 / 神経解剖学 / 行動生理学 / 神経回路網形成 / ペプチド / 免疫組織化学
研究概要

ヒドラの散在神経系について、その構造(神経解剖学)・機能(神経生理学、行動生理学)・形成(発生神経生物学)の全ての側面について、また、これらを分子レベルから個体レベルまで、総合的に追究した。その結果、下記に記すようにこの神経系の興味深い側面が明らかになった。
私達が中枢神経系の原型ではないかと仮説しているヒドラの頭部に見られる神経環の機能がひとつ判明した。それは、全ての触手を同調して動かす行動であった。クラゲなどでも神経環は、電気的に結合した巨大軸索的な機能と、化学シナプスによる情報統合の機能の2つが考えられていて、今回の場合は、前者にあたるものであった。さらに、この神経環の電子顕微鏡レベルの観察に成功した。それは、約30本の有芯小胞を沢山含む神経線維の束であった。この神経環内の神経結合については、化学シナプスの存在が考えられた。
散在神経系において、神経環が観察されたのは、我々のヒドラ(ポリプ型)の神経環と、ヒドロ虫類のヒドロクラゲ(メヂュウサ、水母型)の2種の神経環(内側神経環、外側神経環)のみである。そのためこの神経環の存在を全ての刺胞動物門(ヒドラ、クラゲ、イソギンチャク、サンゴ)に広げて、神経環の一般性を検討した結果、多くの刺胞動物門のポリプにおいて、神経環の存在が明らかになった。特に、刺胞動物の基本型と思われる花虫類、セイタカイソギンチャクとハナヤサイサンゴで、口の周りに神経環が見つかったことは、この神経構造の進化を考える上で特に重要と思われる。
更にこの神経環の他の集中神経系の神経環との関連を分子系統学的に明らかにするために、ヒドラにおいて神経環特異的な発現遺伝子の同定に取り掛かった。その結果、多数の興味ある頭部特異的遺伝子がリストアップされた。

  • 研究成果

    (16件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (13件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] ヒドラの飼育2010

    • 著者名/発表者名
      小泉修
    • 雑誌名

      うみうし通信

      巻: vol.66 ページ: 4-5

  • [雑誌論文] Highly differentiated population structure of a Mangrove species, Bruguiera gymnorhiza(Rhizophoraceae)revealed by one nuclear GapCp and one chloroplast intergenic spacer trnF-trnL.2010

    • 著者名/発表者名
      Minobe, S., Koizumi O., et al.
    • 雑誌名

      Conservation Genetics

      巻: 11(11) ページ: 301-310

    • 査読あり
  • [学会発表] 刺胞動物の神経環の神経生物学2010

    • 著者名/発表者名
      矢田部真子、石井敦子、美濃部純子、中村將、並河洋、小泉修
    • 学会等名
      日本動物学会第81回大会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      20100923-25
  • [学会発表] ヒドラの神経系の化学解剖学:新しい二重染色を用いて2010

    • 著者名/発表者名
      本田祥子、美濃部純子、小泉修
    • 学会等名
      日本動物学会第81回大会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      20100923-25
  • [学会発表] エダアシクラゲの正の走光性2010

    • 著者名/発表者名
      佐藤英樹、小泉修、出口竜作
    • 学会等名
      日本動物学会第81回大会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      20100923-25
  • [学会発表] 刺胞動物の神経環の神経生物学2010

    • 著者名/発表者名
      矢田部真子、石井敦子、美濃部純子、中村將、並河洋、小泉修
    • 学会等名
      日本比較生理生化学会第32回大会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      20100717-19
  • [学会発表] ヒドラの神経系の化学解剖学:新しい二重染色を用いて2010

    • 著者名/発表者名
      本田祥子、美濃部純子、小泉修
    • 学会等名
      日本比較生理生化学会第32回大会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      20100717-19
  • [学会発表] 神経細胞の相互認識・組織化の起源を探る2010

    • 著者名/発表者名
      車田麻美、美濃部純子、小泉修、濱田俊
    • 学会等名
      日本比較生理生化学会第32回大会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      20100717-19
  • [学会発表] 散在神経系から見る神経系の起源と進化:刺胞動物の神経環について2010

    • 著者名/発表者名
      小泉修
    • 学会等名
      シンポジウム「比較生理生化学のインパクト~ICCPB2011国際比較生理生化学会議へのプロムナード~」、日本動物学会第81回大会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2010-09-24
  • [学会発表] Origin and evolution of the nervous system viewed from the diffused nervous system : Nerve ring in cnidarians2010

    • 著者名/発表者名
      小泉修
    • 学会等名
      (シンポジウム「ICCPB2011(国際比較生理生化学会議)前夜」、日本比較生理生化学会第32回大会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2010-07-17
  • [学会発表] ヒドラの神経系の化学解剖学:同種動物由来抗体同士を用いた二重染色の利用2010

    • 著者名/発表者名
      本田祥子、美濃部純子、小泉修
    • 学会等名
      日本動物学会九州支部第63回大会
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2010-05-23
  • [学会発表] ヒドラの神経環特異的発現遺伝子の検索2010

    • 著者名/発表者名
      福岡望、美濃部純子、車田麻美、濱田俊、小泉修
    • 学会等名
      日本動物学会九州支部第63回大会
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2010-05-23
  • [学会発表] マングローブの一種オヒルギの遺伝的多様性と地域分布II2010

    • 著者名/発表者名
      永石美聡、美濃部純子、梅崎佐和子、小泉修
    • 学会等名
      日本動物学会九州支部第63回大会
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2010-05-23
  • [学会発表] 刺胞動物の神経環の神経生物学-花虫類の神経系と神経環2010

    • 著者名/発表者名
      矢田部真子、美濃部純子、小泉修
    • 学会等名
      日本動物学会九州支部第63回大会
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2010-05-23
  • [学会発表] 刺胞動物の神経環とサンゴの神経系・神経環2010

    • 著者名/発表者名
      小泉修、矢田部真子、美濃部純子、中島祐一、中村將
    • 学会等名
      H21年度中期計画実現推進費「サンゴ礁生態系の生殖・再生基盤の確立」研究会
    • 発表場所
      沖縄
    • 年月日
      2010-02-10
  • [備考]

    • URL

      http://www.fwu.ac.jp/es/index/html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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