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2010 年度 実績報告書

タロイモショウジョウバエ属とサトイモ科植物との送粉共生系進化に関する包括的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21570085
研究機関北海道大学

研究代表者

戸田 正憲  北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (40113592)

研究分担者 高野 宏平  長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教務職員 (40448501)
キーワードタロモショウジョウバエ属 / サトイモ科 / 送粉共生系 / 繁殖生態 / 系統 / 分類 / 国際研究者交流 / 中国:インドネシア:マレーシア:インド
研究概要

1 タロイモショウジョウバエ(Colocasiomyia)属cristata種群の分子系統解析のために,内群15種26個体のDNA塩基配列を分析し,近隣接合系統樹・最節約系統樹・最尤系統樹を基に合意系統ネットワークを構築した.その結果,先行研究の形態分岐系統樹よりも解像度の高いトポロジーを得ることができ,3つの主なクレードが認められた.さらに宿主選択と共宿主性の進化過程は,従来考えられていたよりも複雑であることが明らかになった.
2 マレーシア・サバ州(ボルネオ島)におけるタロイモショウジョウバエ属のハエとサトイモ科植物の送粉共生関係について,次の諸点を明らかにした:(1)この地域はタロイモショウジョウバエ属の種多様性が世界で最も高く,17新種を含む合計21種が,サトイモ科植物15種の花から採集された;(2)これらのうち,最も多くの種数(12新種)を含むbaechlii種群の寄主植物との対応関係は複雑で,共生関係は多対多の関係にある;(3)1つの花を訪れていたタロイモショウジョウバエ集団の種組成とその相対頻度を比較すると,異なる寄主植物間,季節間,地域間で有意に変異し,こうした複数の要因に関する生態的地位の部分的な分離が複合して,baechlii種群の高い種多様性が維持されていると考えられる.
3 サトイモ科ホウライショウ亜科(Mosteroideae)を寄主植物とする新種群(gigantea種群)に,中国雲南省からさらに1新種が付け加わった.本種群に属す4種の内2種については,その繁殖生態の一部を明らかにした.特に,2~3週間あるいはそれ以上に及ぶ長い卵期(他のColocasiomyiaを含むショウジョウバエでは通常1日)は特異的であり,胚発生を終えた1齢幼虫が何らかの要因で孵化を待っていると考えられる.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Molecular phylogeny of the cristata species group of the genus Colocasiomyia (Diptera : Drosophilidae)2011

    • 著者名/発表者名
      Kohei Takenaka Takano
    • 雑誌名

      Low Temperature Science

      巻: Vol.649 ページ: 19-28

    • 査読あり
  • [学会発表] タロイモショウジョウバエとサトイモ科植物の送粉共生2010

    • 著者名/発表者名
      高野宏平
    • 学会等名
      ワークショップ「ショウジョウバエ研究のいまとこれから-特に,キイロショウジョウバエ以外の研究に注目して-
    • 発表場所
      札幌,北海道大学低温科学研究所 招待講演
    • 年月日
      2010-09-23

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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