平成21度は、本研究の開始年度であり、研究機器の整備として、大型回転式ミクロトームおよび真空凍結乾燥器を機種選定、購入、設置した。これらの機器を利用することで、本研究の対象であるマメ科種子内部構造の観察が飛躍的に効率良く行えるようにたった。実際には、マメ科植物8種について、様々な発達段階にある果実を採集し、取り出した種子について発進過程を追いながら胚とそれを取り巻く構造の変化を観察、その結果について論文原稿を作成し、学術雑誌に現在投稿中である。また、本研究で着目したマメ科の子葉上の構造cotyledon areoleに日本語言語として「子葉紋」を与えると共に、その研究史を概括し、論文として学術雑誌上に投稿し受理され、2010年4月に出版される予定である。これにより、cotyledon areoleは植物分類学、植物形態学のみならず、農学や植物生理学などの分野でも、特に日本国内において周知されることが期待される。 子葉紋は、我々に身近で重要な経済植物であり、かつ生物学の教材としても利用されることが多いエンドマメやダイスなどに認められる構造である。そこで、これら植物に近年発見された構造として、2009年11月29日に「青少年のための科学の祭典(北茨城大会:於 北茨城市民ふれあいセンター 参加約1000名)」において「タネのひみつ」と題して展示、紹介を行い、普及活動に務めた。
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