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2009 年度 実績報告書

琉球列島産ウミヘビ亜科における遺伝的多様性と個体群分類

研究課題

研究課題/領域番号 21570098
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

太田 英利  兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 教授 (10201972)

キーワード海洋保全 / 種分化 / 個体群分類 / 遺伝的分化 / 遺伝子流動 / 爬虫綱 / ウミヘビ / 琉球列島
研究概要

本研究の目的はまず琉球列島や周辺海域のウミヘビ亜科を対象に、集団遺伝学的解析を加えることで隠蔽種の有無や地域集団間での遺伝子流動の程度などを検討するとともに、繁殖ユニットとしての個体群の範囲を明確にすることにある。またこのような過程を経て輪郭が明瞭となった個体群間の系統関係について、分子データにもとづき確度の高い仮説を提示し、さらにはこうした系統仮説を博物館等の液浸標本の形態的特徴と対応させることで、近年、問題点が多く指摘されているこのグループの分類を、その真の系統的多様性を反映する適切なものへと再構築することも目的としている。
本年度はそのための第一歩として、まずイイジマウミヘビ類(カメガシラーウミヘビ属)について、琉球列島各地より収集されたサンプルに台湾やフィリピン、ニューカレドニアより得られていたサンプルを加え、アロザイムを指標とした分析を加えた。その結果、以前、少数の標本を用いた予備的研究から指摘されていた琉球列島とその周辺における個体群の遺伝的多様性の低さ、台湾とフィリピンの間での遺伝子流動の明瞭な欠落などが明らかとなった。さらにはこの群やマダラウミヘビークロガシラウミヘビ群におけるミトコンドリアDNAチトクロームb領域の配列決定に必要な実験プロトコール(使用プライマー、PCR条件等)についても予備実験を行い、ほぼ確定させることができた。
その一方で、いくつかの博物館を訪れ、収蔵標本について形態形質の詳細な観察や測定を行い、分類学的位置づけについて再検討を加えた。その結果、奄美大島からトゲウミヘビとして記録されていた鹿児島県立博物館収蔵標本の、マダラウミヘビとしての再同定をはじめ、ウミヘビ亜科に属する種に関する従来の地理的分布の記録に対し、訂正を含むいくつかの新しい知見を得ることができた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 鹿児島県のウミヘビ類に関する注目すべき2記録(爬虫綱:コブラ科)2009

    • 著者名/発表者名
      太田英利
    • 学会等名
      日本爬虫両棲類学会 第48回大会
    • 発表場所
      奈良県天理市 天理大学
    • 年月日
      2009-11-08

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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