琉球近海を中心としたウミヘビ亜科(胎生ウミヘビ類)の種分類における混乱解決を目的に、研究施設に保管されている標本と新たに採集された標本を対象とした形態学的、分子系統学的解析を行った。その結果、イイジマウミヘビの分布が琉球列島.台湾近海に限定されること、2近似種クロガシラウミヘビとマダラウミヘビについて、分子で限定される種の範囲と、形態的に定義される種の範囲の間に著しいずれがあり、形態的な種の定義を再検討すべきであることが示された.琉球列島近海から記録されていたトゲウミヘビについては証拠標本が見当たらないか誤同定であり、トゲウミヘビは琉球列島を含む日本の領域には、分布しないことが強く示唆された.
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