研究概要 |
クモバチ科の原始社会性の進化的起源を明らかにするため,キマダラズアカクモバチのオスの交尾行動および同じ巣場所で活動する個体の間の血縁度を調べた.その結果,オスは長時間(1例として400分)巣口付近で静止し,巣に出入りするメスとの交尾を試みることや,同一巣場所で営巣していた複数メスが父親を共有していたことがわかり,オス個体の交尾の独占が示唆された.また,ルリクモバチのいくつかの形質を精査した結果,オスのみで,体長(前翅縁室の長さ)と腿節の厚さとの間に正のアロメトリーが認められ,発達した腿節は大型オスによる,巣上での交尾の独占を可能にする形質であることが推定された.
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