研究概要 |
スゲ属植物は日本の顕花植物の中で最も属内の種数が多く、200種以上が報告されている。染色体は分散型動原体を持ち、2n=12から2n=132までの連続した種内異数性が見られる。本研究に用いたヒメスゲには、2n=18,20,24,26の種内異数体が見られ、北海道から分布が南に移行するにしたがい染色体数が増加する傾向があり、葉緑体遺伝子でハプロタイプIとハプロタイプIIの2型に分けられることが明らかになった。また、アキイトスゲやオオムギスゲは、過去、朝鮮半島から九州北部、瀬戸内地域に広く分布していたが、その後の気候変動により島嶼部や沿岸地域に隔離され、遺存的に生き残ったことが明らかになった。
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