研究課題
平成22年度は初年度であるため、研究環境の整備を重点的に行うと供に、培養実験するための材料の収集を行った。国内では埼玉県の秩父地方や秋田県、千葉県など、国外では台湾において材料を収集した。タイプ標本の借覧も順次すすめている。その結果、埼玉県から新種記載されたミドリホラゴケモドキCalypogeia granulata Inoueが東南アジアに知られているCalypogeia apiculataと同種であるという結論を得たので、日本蘚苔類学会において発表し、現在論文化を進めている。また、トサホラゴケモドキCalypogeia tosanaのタイプ標本の解釈に誤りがあり、種概念の再構築が必要であり、研究を継続している。台湾では,現地で記載されたCalypogeia formosanaを採集し研究を進めている。また、Metacalypogeia alternifoliaの雄性生殖器官を世界で初めて確認し、現在論文化を進めている。採集した植物体から無性芽を分離し、培養を進めている。また、研究代表者が新科親属新種記載したMizutania riccardioidesの分類学的な位置づけについて、共同研究を進めていたが、これまで未発見だった雄性生殖器官の新発見や生殖器官の苞葉に3列性の規則性があることなどを解明し、葉状体苔類とされていた本科が茎葉苔類であり、ツキヌキゴケ科であることを再確認して発表した(Masuzaki et al.2010)
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Taxon 59(2)
ページ: 448-458