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2009 年度 実績報告書

酵母の高浸透圧応答性MAPK経路におけるリン酸化、脱リン酸化を介した活性制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 21570131
研究機関東京大学

研究代表者

舘林 和夫  東京大学, 医科学研究所, 准教授 (50272498)

キーワードMAPキナーゼ / ストレス応答 / リン酸化 / 酵母
研究概要

生物は絶えず変化する生活環境に迅速に適応するため、ストレス応答MAPキナーゼ情報伝達経路を備えている。この経路は全ての真核生物で保存されており、高浸透圧環境によって活性化される出芽酵母のHOG経路はその原型といえる。環境ストレスへの応答には、経路を素早く適切に活性化させる正の制御機構に加え、不適切、あるいは過剰な経路の活性化を抑えるための負の制御機構も極めて重要である。本年度はHOG経路のSHO1上流支経路活性化に必須なSte50がHOG経路のMAPキナーゼであるHog1によりリン酸化され、その結合因子であるOpy2との結合が阻害されシグナル伝達が遮断される、という負のフィードバック機構について実験的に検証した。その結果、Ste50は高浸透圧により活性化されるHog1に加え、接合因子により活性化されるKss1やFus3によってもリン酸化をうけること、Ste50はリン酸化をうけるとOpy2との結合性が低下することを示した。さらにリン酸化をうけない変異型Ste50蛋白質を発現する細胞では高浸透圧刺激によるHOG経路活性化が遷延すること、接合経路を活性化させるとFus3/Kss1によりSte50はリン酸化されるため、続いて高浸透圧刺激を与えてもHOG経路の活性化は低いレベルに抑えられることがわかった。以上より、Ste50のリン酸化に伴って生じるOpy2との結合性の低下を通じて、MAPK経路内及び異なるMAPK経路間で負の活性制御機構が働いていることが明らかになった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Glycosylation defects activate filamentous growth Kss1 MAPK and inhibit osmoregulatory Hog1 MAPK.2009

    • 著者名/発表者名
      Yang, HY
    • 雑誌名

      EMBO Journal 28

      ページ: 1380-1391

    • 査読あり
  • [学会発表] Regulation of the yeast MAPK pathways by nutrition-dependent switching of the binding modes between the Opy2 membrane anchor and the Ste11-Ste50 complex through phosphorylation2009

    • 著者名/発表者名
      舘林和夫
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2009-12-10
  • [備考]

    • URL

      http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/MolCellSignal/index.html

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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