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2009 年度 実績報告書

DNAメチル化模様の形成に、ヒストン分子の翻訳後修飾が果たす役割の生化学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 21570136
研究機関大阪大学

研究代表者

末武 勲  大阪大学, 蛋白質研究所, 准教授 (80304054)

キーワードDNAメチル化 / Dnmt
研究概要

1. ヒストンH3K9のメナル化修飾かDNAメナル化活性に与える影響
これまでに、ヒスンH3K9のメチル化修飾とDNAメチル化とに正の相関があることが、生体を用いて、遺伝学的手法により明らかにされている。私は、分子機構を明らかにする目的で、生化学的手法を用いて、ヒストンH3K9のメチル化修飾がDNAメチル化活性に与える影響を、試験管内で調べてきている。本年度は、解析をさらに詳細に行った。
この反応には、再構成したヌクレオソームをとしている。私たちの研究から、酵素は裸のDNAを好んで基質にすることが分かっているため、再構成されずに残存する、または再構成後にはずれたDNAの混入を除外しないと正確に効果を評価できない。そのため、メチル化反応後に、裸のDNAを除去するプロセスを加えたものの、安定的に促進効果を再現することが困難であった。現在、その原因をさらに検討している。ひとつの可能性として、DNAメチル化反応が生じた際には、ヌクレオソーム構造が不安定になり、結果として、DNAを除去する際に用いるヌクレアーゼにより、容易に分解されるのではないかと考えている。そのため、より強い促進効果が得られる条件の探索を開始しはじめた。
2. DNAメチル化維持機構の解析
一旦、ゲノムDNAに、DNAメチル化模様が形成されると、細胞分裂過程でDnmt 1という酵素により、そのメチル化模様は安定に維持される。Dnmt 1は約200kと大きな分子量を持つ蛋白質であり、まだ機能の明らかになっていない領域がある。中でもそのN末端には、独立なドメイン構造が存在することを以前に私たちは報告した。本年度は、その領域をリン酸化する酵素を同定し、リン酸化によりDNA結合活性が低下することを発表した(Sugiyama et al., 2010)。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] The DNA-binding activity of mouse DNA methyltransferase 1 is regulated by phosphorylation with casein kinase 1delta/epsilon2010

    • 著者名/発表者名
      Sugiyama Y, et al.
    • 雑誌名

      Biochem J. (In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Array-based genomic resequencing of human leukemia2010

    • 著者名/発表者名
      Yamashita Y, et al.
    • 雑誌名

      Oncogene (In press)

    • 査読あり
  • [学会発表] Histone H3K9 trimetylation stimulates the histone H3K27methylation activity of PRC2 bypassing Eed2010

    • 著者名/発表者名
      三島優一, et al.
    • 学会等名
      Keystone symposium
    • 発表場所
      Taos, New Mexico
    • 年月日
      2010-01-20
  • [学会発表] 体外培養したマウス着床前胚特異的に発現するDnmt3bスプライシングバリアント2009

    • 著者名/発表者名
      堀居拓郎, 他
    • 学会等名
      第32回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2009-12-09
  • [学会発表] Specific interaction between Np95/Uhrf1 and Dnmt1 is responsible for postreplicative maintenance of the DNA methylation patterns2009

    • 著者名/発表者名
      武藤正弘, 他
    • 学会等名
      第32回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2009-12-09
  • [学会発表] ポリコーム群蛋白質複合体PRC2によるH3K27メチル化の新たな活性調節機構2009

    • 著者名/発表者名
      三島優一, 他
    • 学会等名
      第82回 日本生化学学会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2009-10-23
  • [学会発表] マウスDNAメチルトランスフェラーゼ1のDNA結合活性は、カゼインキナーゼ1によるリン酸化によって制御される2009

    • 著者名/発表者名
      杉山康憲, 他
    • 学会等名
      第82回 日本生化学学会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2009-10-23
  • [学会発表] ポリコーム群蛋白質複合体PRC2によるヒストンH3メチル化活性に対する、ヒストンH3の9番目のリシン残基のトリメチル化修飾の影響2009

    • 著者名/発表者名
      三島優一, 他
    • 学会等名
      第3回日本エピジェネティクス研究会年会
    • 発表場所
      東京 (学術総合センター)
    • 年月日
      2009-05-22

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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