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2009 年度 実績報告書

細胞内ストレスに応答したNF-kB活性化機構と炎症と発癌との連関

研究課題

研究課題/領域番号 21570141
研究機関広島大学

研究代表者

鎌田 英明  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (10233925)

キーワードUV / 酸化ストレス / 核移行 / NF-κB / IKKβ / 炎症 / ユビキチン化 / TNF
研究概要

細胞内ストレス(UV照射)に応答したNF-kBの新規経路の分子メカニズムを解析し、この経路がUV応答のみならず、細胞内の酸化ストレスなどに応答して駆動されることを見いだした。さらに酸化ストレスのみならず、DAMPとよばれる一連の障害関連分子群もこの経路を駆動し、IκBαのリン酸化・分解なしにCa^<2+>依存的なNF-κB・IκBαの核内と、核内でのIκBαとIKKβ/hnRNP-U/β-TrCP複合体との会合を誘導することを見いだした。最終的にIκBαはこの複合体を介してユビキチン化されて分解されて、持続的NF-κB活性化が誘導される。この複合体形成に関与する因子を同定するために各種阻害剤を用いた解析や、ノックアウトマウスを用いた解析を行ったところ、IKKβ/hnRNP-U/β-TrCP複合体を介したIκBαのユビキチン化にはIKKγが必須であることを見いだした。さらにこのストレスに応答したNF-κB活性化経路では負のフィードバック機構が機能せずにNF-κBは持続的に活性化される。NF-κB標的遺伝子の発現を解析することにより、フィードバック機構が機能しない原因を解析したところ、NF-κBはプロモーター特異的に転写を促進する場合と、抑制する場合が有ることが見いだされた。さらにクロマチン沈降法による解析により、ストレス付加時にネガティブフィードバック関連遺伝子のプロモーターにNF-κBが会合するときには、HDACをリクルートすることにより遺伝子発現を抑制する効果があることが判明した。またIKKβノックアウトマウス由来の繊維芽細胞とマクロファージに対して、アダプター分子機能を欠損したIKKβ変異体遺伝子、およびキナーゼ活性を欠損したIKKβ変異体遺伝子を導入した。それぞれのIKKβ再構成細胞に炎症性サイトカイン(TNFαやIL-1)や、LPSや酸化ストレスを負荷したところ、正常の炎症応答が駆動される条件下では新規経路は駆動されないのに対して、ストレス付加時では新規経路が駆動されることが判明した。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Macrophage foam cell formation is augmented in serum from patientswith diabetic angiopathy2010

    • 著者名/発表者名
      Cui X.
    • 雑誌名

      Diabetes Res.Clin.Pract. 87

      ページ: 57-63

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 活性酸素によるリン酸化シグナル制御2009

    • 著者名/発表者名
      鎌田英明
    • 雑誌名

      実験医学増刊:活性酸素シグナルと酸化ストレス 27

      ページ: 2366-2372

  • [学会発表] Nuclear IKKb acts as an adaptor protein for IkBa degradation in UV-induced NF-kB activation and promotes cell death2010

    • 著者名/発表者名
      Hideaki Kamata
    • 学会等名
      International Symposium on the Innovation for Health And Sustainable Life
    • 発表場所
      Hiroshima University
    • 年月日
      2010-03-09
  • [学会発表] LPSによる脂肪組織インスリン抵抗性へのマクロファージの関与と、ARBによるインスリン抵抗性改善作用の機序2009

    • 著者名/発表者名
      岩下未咲
    • 学会等名
      第21回分子糖尿病学シンポジウム
    • 発表場所
      和歌山
    • 年月日
      2009-12-12
  • [学会発表] 核内IKKを介したNF-κB活性化による細胞死亢進2009

    • 著者名/発表者名
      土谷佳弘, 浅野知一郎, 中山啓子, 加藤友久, Michael Karin, 鎌田英明
    • 学会等名
      第32回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2009-12-09
  • [学会発表] GLUT1と相互作用を有する膜タンパク質4F2hcの同定と糖取り込みに与える影響2009

    • 著者名/発表者名
      大野晴也, 中津祐介, 大久保博史, 大谷祐一郎, 崔興龍, 張君, 郭瑩, 迫田秀之, 藤城緑, 堀家なな緒, 櫛山暁史, 土谷佳弘, 鎌田英明, 浅野知一郎
    • 学会等名
      第82回日本生化学会合同大会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2009-10-24
  • [学会発表] 細胞内ストレスに応答した核内IKKβを介した新規NF-κB活性化機構2009

    • 著者名/発表者名
      土谷佳弘, 浅野知一郎, 中山啓子, 加藤友久, Michael Karin, 鎌田英明
    • 学会等名
      第82回日本生化学会合同大会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2009-10-23
  • [学会発表] プロリン異性化酵素Pin1はTORC2と結合してCRE活性を抑制することで、肝の糖新生系を制御する2009

    • 著者名/発表者名
      中津祐介
    • 学会等名
      第82回日本生化学会合同大会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2009-10-23

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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