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2009 年度 実績報告書

2型ジアシルグリセロールキナーゼの生理機能におけるRACK1の役割の検討

研究課題

研究課題/領域番号 21570145
研究機関札幌医科大学

研究代表者

今井 伸一  札幌医科大学, 医学部, 講師 (20213209)

キーワードジアシルグリセロールキナーゼ / 上皮増殖因子 / リン酸化 / 低分子量GTP結合タンパク質 / 腫瘍壊死因子α
研究概要

ジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)は、生理活性脂質であるジアシルグリセロールとボスファチジン酸の細胞内濃度を調節し、細胞の生理機能を制御していると考えられている。本研究では2つのDGKアイソザイム(η及びα)についてそれぞれの生理機能の制御機構について検討した。HeLa細胞にsiRNAをトランスフェクトし、DGKηをノックダウンすると、上皮増殖因子(EGF)刺激によって誘導されるERK1/2及びその上流のMEK1/2のリン酸化を顕著に阻害した。さらに、MEK1/2の上流のRaf(B-Raf及びC-Ratsキナーゼ活性及びB-RafとC-Rafの相互作用の解析を進めたところ、EGF刺激により誘導されるC-Rafキナーゼ活性及びB-Raf-C-Raf相互作用のいずれもがDGKηの発現抑制により顕著に阻害された。以上の結果から、DGKηは増殖因子に応答してB-RafとC-Rafの相互作用を制御し、MEK1/2-ERK1/2経路を活性化することが示唆された。一方、別のアイソザイムであるDGKaはメラノーマ細胞における腫瘍壊死因子α(TNFα)刺激によるNF-κB活性化に関与している事から、その詳細な検討を行った。NF-κBのp65/RelAサブユニットはTNFa刺激によりプロテインキナーゼC(PKC)ζ(DGKの反応産物であるボスファチジン酸で活性化される)とIκBキナーゼで異なるセリン残基がリン酸化されるが、DGKaのノックダウンを行うことにより、PKCζでリン酸化される311番目のセリン残基(Ser311)のリン酸化が抑制された。PKCζのノックダウンを行うとDGKaのノックダウンと同様、p65/Re]AサブユニットのSer311のリン酸化が抑制された。また、PKCζの過剰発現あるいはノックダウンはそれぞれDGKa依存性のTNFa刺激によるNF-κB活性の増大あるいは減弱した。以上の結果より、メラノーマ細胞におけるシグナル伝達系、TNFα-DGKa-、NFKBという経路の中にPKCζが含まれることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Diacylglycerol kinase α enhances protein kinase C ζ-dependent phosphorylation at Ser311 of p65/Re1A subunit of nuclear factor-κ B2009

    • 著者名/発表者名
      Kai, M.
    • 雑誌名

      FEBS Letters 583

      ページ: 3265-3268

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Diacylglycerol Kinase η augments C-Raf activity and B-Raf/C-Raf heterodimerization2009

    • 著者名/発表者名
      Yasuda, S.
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry 284

      ページ: 29559-29570

    • 査読あり
  • [学会発表] PKCζによるp65のリン酸化がメラノーマ細胞におけるジアシルグリセロールキナーゼαからNF-κBへのシグナル伝達を仲介する2009

    • 著者名/発表者名
      甲斐正広
    • 学会等名
      第68回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2009-10-03
  • [学会発表] ジアシルグリセロールキナーゼηは上皮増殖因子に依存した Raf シグナル経路を制御する2009

    • 著者名/発表者名
      安田智
    • 学会等名
      第68回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2009-10-02

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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